為替相場の変動は、なぜ引き起こされるのか?
為替相場の変動は2国間の相対的な力関係を表しているともいわれています。
たとえば、米ドルと日本円との関係性で考える場合は、アメリカと日本の景気の良さを表していると考えてもいいでしょう。
具体的な関係としては為替取引も影響していて、米ドルを購入する場合は「日本円で米ドルを買う」という流れになります。これは言い換えれば、日本円を「売って」米ドルを「買う」ということになるので、米ドルの価値は高まり(米ドル高)、逆に日本円の価値は下がる(円安)の状態を引き起こすということです。
世界には様々な国がありますが、その国によって金利や国際情勢は大きく異なります。戦争やテロなどの侵略を受けている国というのは、その国が崩壊する可能性があるために、その国の通貨は売られることが多く価値が大きく下がる傾向にあります。その国の通貨が売られるということは、どこかの国の通貨が買われているということになるので、買われた通貨を発行している国の相場は上がります。
また、金融機関にお金を預けると預けている金額に応じて利息が発生して、元金よりも多くなるという仕組みになっていますが、この金利に関しても国ごとによって異なります。5%の金利を出している国もあれば日本のように0.1%の金利を出しているというような国もあるということです。その国の情勢が安定しているのならば、誰でも0.1%の金利よりも5%の金利のほうが嬉しいでしょう。そうすると、5%の金利を出している国の通貨が大量に買われることになるので、その他の国の通貨の価値が下がるということです。
その他にも色々な影響によって為替相場は変動しますが、基本的な考えとしては「為替相場が高い国は経済的に強い国である」ということが基本です。
近年で円高になった主な事件としてはリーマン・ショックが挙げられるでしょう。この際に、世界中で通貨が売られることになりましたが、どこの国の通貨が買われたのかというと、日本円です。そのため、超円高となり、過去数十年で最も円高になった時期として記録されています。
この理由としては、「日本は借金大国だ!」とメディアでは宣伝されていますが、この借金は他国に対する借金ではなく、自国民に対する借金なので、世界的に見れば日本は世界最大の対外純資産を持つ国として認識されています。簡単にいえば、他国にお金を貸していて、国内の資産が多いという状況です。そのような国なので経済的に見ると非常に強いので、世界がピンチになった際に日本円が大量に買われたということです。
■まとめ
今回はFXと経済の関係性について少しだけ紹介しました。
グローバル化が提唱されて10年以上も経過しましたが、多くの日本人は海外の経済状況について目を向けることが少なく、また日本国内の事情についても知らない人が多いです。しかし、FXを深く理解すると、どこの国がどのような状況なのかということが簡単に理解できるようになります。FXと経済の関係性はとても面白いものです。
また、各国の経済状況について理解することでFX取引の勝率も必ずアップしますので、常に情報の入手を怠らないようにしたほうがいいでしょう。