地価高止まりの23区…上昇率で注目のエリアは?
――23区は諦めた。でも、できるだけ資産性のある所に家を建てたい。
東京の土地代の高さを知ったとき、東京の郊外がひとつの選択肢になるでしょう。そのとき、できるだけ資産となるようなところに家を持ちたい、と考えるのはごく当たり前のこと。
しかし10年後、20年後、土地の価格がどうなっているのか、分かる人などいるわけありません。そこで“いま”人気が高まっている場所はどこなのかを見ていきましょう。
2021年の公示地価(1月1日時点)の対前年変動率を見ていきます。住宅地で最も上昇率が高かったのが「東京都立川市柴崎町2丁目」。JR「立川」駅から南へ徒歩7分、多摩モノレール「立川南」駅からであれば、徒歩5分ほどのロケーションです。
【東京都住宅地の地価対前年変動率ベスト10(住宅地)】
1位 東京都立川市柴崎町2-22-4(2.60%)
2位 東京都港区赤坂1-14-11(2.50%)
3位 東京都足立区綾瀬1-32-3(2.30%)
4位 東京都稲城市大字矢野口字根方2653番1(2.10%)
5位 東京都港区南麻布4-9-34(2.00%)
6位 東京都稲城市大字矢野口字塚戸567番4外(1.90%)
7位 東京都足立区千住旭町28-12(1.80%)
8位 東京都稲城市大字大丸字七号791番2(1.70%)
9位 東京都港区港南3-7-23(1.60%)
10位 東京都稲城市大字矢野口字宿772番4外(1.60%)
出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より
立川といえば、「グランデュオ立川」や 「ルミネ 立川店」のほか、「伊勢丹 立川店」「髙島屋 立川店」といった大型商業施設が集積する、東京多摩地域の中心となっている街。1970年代まで米軍基地として使用されていた駅北口の「立川飛行場」の跡地開発が本格化し、近年、「IKEA立川」や「ららぽーと立川立飛」など話題のスポットが次々と誕生。コロナ禍の昨年4月には、多目的ホールやホテル、商業施設やオフィスビルなどによる新しい街「GREEN SPRINGS」が誕生。東京のなかでも勢いのあるエリアのひとつです。
また京王電鉄相模原線、JR南武線が通る稲城市も、変動率ベスト10の上位にいくつもの地点がランクイン。稲城市といえば、多摩ニュータウンの最後の開発エリアだった「若葉台」駅周辺は、近年ファミリー層を中心に流入が顕著でした。今回上位にランクインしたのは南武線に近いエリアで、元々梨畑などが広がっていたところ。この頃は宅地開発が進み、注目を集めています。
上昇率1位の「東京都立川市柴崎町2丁目」の地価は43万1000円/㎡。4位の「東京都稲城市大字矢野口字根方」は24万4000円/㎡と、普通の会社員でも一軒家の購入を検討できるようなエリアです。
もちろん地価は、あくまでもロケーション選びの際のひとつの視点。さまざまな角度から検討が必要なことはいうまでもありません。