日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあたるのは「東京都23区の平均年収」。突然世界を襲った新型コロナウイルスは、23区の平均年収にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?
最新「東京23区年収ランキング」1位と23位の年収差、815万円に縮小 ※画像はイメージです/PIXTA

雇用形態、男女差…条件で年収は大きく変わる

厚生労働省『令和2年賃金構造基本調査』によれば、会社員(企業規模10人以上対象)の平均年収は487万2900円。年齢があがるにつれて年収もあがっていき、「50~54歳」590万450円でピークに達します。

 

もちろん、条件が変われば年収も変わっていきます。たとえば雇用形態。正社員の平均年収は521万5000円。それに対し、非正社員の平均年収は294万1000円と、230万円近い年収差が生じています。

 

大企業は2020年4月1日から、中小企業はその1年後から「 同一労働同一賃金制度」が適用になりました。同じ職場で同じ仕事をする正規雇用者と非正規雇用者の待遇や賃金格差をなくそうというものですが、その効果がどれほどのものになるか、今後に注目です。

 

まだ男性か女性かでも大きな年収差があります。男性会社員の平均年収は545万9500円。一方女性の平均年収は381万9200円。女性のほうが非正規雇用が多いこと、結婚・出産でキャリアが中断する場合が多いなどの理由から、男性より平均年収は下回ります。

 

学歴によって年収が変わることも、多くが知るところ。最終学歴が高校の場合、平均年収は425万6100円。大卒の場合は585万6600円、大学院卒になると765万9600円に達します。学歴による年収差は、初任給の段階では数十万円の差でしかありませんが、年齢を重ねるごとに大きくなり、社会人としてのキャリアが中盤にさしかかるころには、数百万円の差にまで拡大します。

 

さらに地域によっても異なります。都道府県別に見ていくと、トップは「東京都」で平均年収は595万2300円。2位「神奈川県」536万9700円、3位「愛知県」513万2500円と比べても、頭ひとつ抜けています。また国税庁『統計年報』で「所得納税者1人当たりの所得金額」をみてみても、トップは「東京都」で1044万円。2位「神奈川県」729万3000円と比べ、300万円以上も多く、年収を手にしています。