コロナ禍で東京都から人口が流出。その受け皿となったひとつが「埼玉県」。何かと話題になることの多い地域ですが、実は首都圏のなかでも家計運営はピカイチという側面も。
手取り収入62万円弱で東京都超え「埼玉県」のやはり凄い実態 ※画像はイメージです/PIXTA

首都圏随一の持ち家率…「埼玉で家を建てる」なら

『家計調査』から優れた家計運営をこなす埼玉県人の姿が見えてきましたが、もう一つ、首都圏の中でも頭一つ抜けているところがあります。それは「持ち家率」。「東京都」が70.9%、「神奈川県」が73.4%、「千葉県」が78.6%に対して、「埼玉県」は82.6%と8割超え。

 

また持ち家の広さ(畳数)も、他の地域が31~32畳に対して、「埼玉県」は36.0畳。住環境もバッチリなのです。

 

ではそんな埼玉県で家を買おうとしたら……考えてみましょう。

 

埼玉県の昨年の地価は、前年比0.58%減。全国的に下落となりましたが、埼玉県でも例外ではありませんでした。坪単価は53.2万円と全国8位(1位「東京都」374.6万円/坪、3位「神奈川県」の86.6/坪、12位「千葉県」42.7万円/坪)。

 

そのなかでも、公示地価平均値が最も高かったのが「さいたま市大宮区」で214.8万円/坪。続いて「さいたま市浦和区」で150.5万円/坪。「さいたま市中央区」105.1万円/坪、「さいたま市南区」102.0万円/坪、「さいたま市和光市」98.8万円/坪と続きます(『2021年「埼玉県」地価ランキング1~20位』)。

 

1位の「さいたま市大宮区」の中心である「大宮駅」周辺は、大型商業施設も多く集積する、埼玉県きっての繁華街。そのため地価平均も高いですが、たとえば駅東口から徒歩22分の閑静な住宅街。この地点の地価は85.6万円/坪で、仮に30坪の土地を買ったとしたら2568万円です。

 

国土交通省『令和元年度 住宅市場動向調査報告書』によると、首都圏に新築一戸建てを建てた人の平均土地購入金額は2068万円、上物との合計は平均5239万円です。土地代は平均よりは少々オーバーしてしまいますが、会社員でも「大宮」を最寄り駅にした新築一戸建てがかなう計算です。

 

首都・東京からのアクセスも良く、マイホームも県内一の繁華街から徒歩圏内で実現可能という埼玉県。ほどよく郊外という、なんとも絶妙なロケーションが魅力のひとつであり、100年成長を続ける要因なのかもしれません。