日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「大人の学び時間」について焦点をあてていきます。
「年収1500万円以上」と「年収1000万円未満」…学習時間に3倍の差 ※画像はイメージです/PIXTA

社会人の学びの時間…年収別に見ていくと

会社員であれば、元旦に「今年こそ、XXをするぞ!」などと学びの目標を立てたことがあるでしょう。そうこうしているうちに、2021年も折り返し地点。時の流れのあまりの速さに、おののいている人も多いのではないでしょうか。

 

少し前の調査になりますが、総務省『平成28年度社会生活基本調査』によると、学業以外の学習にあてている時間は週平均13分。実際に行動を起こしている人(行動者)に限定すると、週平均135分、学習の時間にあてています。

 

さらに行動者を年齢別に見ていくと、20代が最も学習に時間をあて、年齢があがるほど時間を割けなくなっています。

 

【年齢別学習時間(行動者週平均)】

20~24歳:176分

25~29歳:188分

30~34歳:135分

35~39歳:131分

40~44歳:124分

45~49歳:120分

50~54歳:126分

55~59歳:110分

 

出所:総務省『平成28年度社会生活基本調査』

 

年を重ねるごとに会社では重要なポジションを任され、また家庭では自分の時間が取れなくなるもの。元旦に立てた目標が毎年のように実現しないのは、当然のことかもしれません。

 

さらに年収ごとに学習時間を見ていきます。非行動者含めての数値なので週平均一桁台ですが、注目は年収が1000万円を超えると時間増が顕著で、年収1500万円以上と年収1000万円未満では約3倍近くの差が生じています。

 

【年収別学習時間(週平均)】

300~399万円:6分

400~499万円:7分

500~599万円:5分

600~699万円:5分

700~799万円:6分

800~899万円:6分

900~999万円:7分

1000~1499万円:8分

1500万円以上:19分

 

出所:総務省『平成28年度社会生活基本調査』

 

この結果を、「高給取りは時間があるから」と捉えるか「学んでいるから年収が高い」と捉えるかで、これからの会社員人生が変わってくるかもしれません。