高齢母急逝…妹が「実家暮らし62歳長男」に突き付けた悲しい提案【行政書士が解説】

本記事では、行政書士事務所ユーサポートの上野佳子氏が「62歳の独身男性」の相続トラブルを紹介し、遺産分割協議について解説していきます。

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「62歳の独身男性」が遭遇した相続トラブル

相続において、事前に相談していれば……となってしまうケースは少なくありません。特に不動産や骨とう品など、すぐに現金化できないものが遺産に含まれていると平等な分割が難しいため、相続人の間でトラブルが発生してしまうこともあります。

 

例えば、次のようなケースはどうでしょうか。

 

〈純一さん一家の事例〉

工藤純一さん(仮名)。62歳、会社員です。高校を卒業したあとは地方国立大学に進学し、地元の会社に就職しました。そのあと、会社員として大きく出世することはありませんでしたが現在もコツコツと働いています。生涯独身で、父は5年前に他界。90歳の母と実家で暮らしています。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

純一さんには妹がいます。55歳で主婦の澄子さん(仮名)です。澄子さんは東京近郊の郊外で夫・娘の3人家族で暮らしています。

 

澄子さんが帰省することや、純一さんが東京に行くことは滅多になく、兄妹で話す機会はほとんどありません。兄妹仲は微妙でしたが、これまで何の問題もなく過ごしていました。しかし、母が急死し、事態が急変します。

 

お母さんのトシコさん(仮名)は数年前から軽度の認知症傾向にありましたが、大きな問題となることはありませんでした。しかしある日、純一さんが仕事に行っている間に心不全で亡くなってしまったのです。

 

父はすでに他界しているので、相続人は純一さんと澄子さんの2人。調査の結果、お母さんは遺言書を書いておらず、遺産は自宅と預貯金5000万円でした。

 

葬儀のあと、遺産分割について話し合いが行われました。妹さんがお金で困っている様子はなかったので、すんなり決まると純一さんは思っていましたが、澄子さんから思いもよらぬお願いをされます。

遺産分割協議で妹が「まさかの提案」

純一さんは古くなった実家を売り、賃貸マンションに住むことを考えていました。そこで自宅の売却益と預貯金をあわせて、折半しようともちかけました。

 

それに対して妹の澄子さんは思いもよらないことをいいだしました。「私は2000万円の取分でいいから、お兄さんは万が一のときのために実家を管理して欲しい」というのです。つまり、純一さんが3000万円の現金と実家を、澄子さんは2000万円のみを相続することになります。

 

「お兄さんに有利」とも取れる提案を不思議に思うなか、純一さんにある疑念が湧きました。「…もしかして、俺が死んだあとの財産を狙っているのか?」と。

 

純一さんは独身です。結婚の予定はなく、このまま亡くなれば、澄子さんに相続権が発生し、自宅と純一さんの預貯金等をすべて継ぐことになります。一方、もし純一さんが家を手放し、マンションに住むことになれば、妹が受け取ることになる財産が減ってしまうかもしれません。

 

純一さんは倹約家で3000万円ほど貯金があり、遺産や退職金などもあわせると、預貯金の額は相当なものです。妹はそのことを知りませんが、妹への不信感が募ります。

 

聞きたいことはたくさんありましたが、長年疎遠であったことが災いし、うまく聞き出すことができませんでした。

 

結果として、澄子さんのいいだした通り、実家を売らないで相続することになりました。純一さんは古くなっていく家で1人で暮らしています。

 

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行政書士事務所ユーサポート 行政書士
上級相続診断士
終活カウンセラー2級

愛知県名古屋市出身。民間企業で国の委託事業を担当し、地域創業や事業承継事業の委託金検査員、補助金事業の検査員を務める。

一般社団法人相続診断協会、一般社団法人終活カウンセラー協会に所属。

行政書士や上級相続診断士(一般社団法人相続診断協会認定)、終活カウンセラー2級(一般社団法人終活カウンセラー協会認定)など、さまざまな資格を所持し、東京都江東区の「頼れる街の法律家」として活躍中。

著者紹介

連載相続の専門家が解説!「争族」にならないための秘訣

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