認知症の母に、息子が「毎日足のマッサージ」をしてみたら…

認知症は「誰もがなりうる病気」です。石塚武美氏は書籍『認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫』(幻冬舎MC)にて、実母への介護経験を基に、症状改善に効果的な工夫や、老々介護に必要な心構えについて述べている。

認知症ケアに有効だったのは、一体どんなこと?

一番有効であったのは、マッサージだと思います。マッサージをすることにより、栄養あるフレッシュな血液を体全体に巡らすことができたと思います。この血液が体全体の細胞の栄養となって細胞を生き生きとさせたと思います。

 

認知症ケアに、一番効果的だったのは「マッサージ」(画像はイメージです/PIXTA)
認知症ケアに、一番効果的だったのは「マッサージ」(画像はイメージです/PIXTA)

 

次に大切と思われた工夫は、食べものをかむ力および飲み込む力の維持のための、歌とおしゃべりです。歌は毎日10曲程度一緒に歌いました。ほぼ必ず歌った歌は、ふじの山、七つの子、早起き時計、キューピーさん、ないしょ話、月の沙漠、旅の夜風(映画、愛染かつらの主題歌)でした。また、毎日おしゃべりを3時間以上しました。とにかく口を動かすことは重要です。

 

誤嚥の予防にもなると思います。誤嚥は肺炎になる心配があります。

 

お年寄りの食器やコップについては、つい、割れにくく軽いプラスチックのものを考えてしまいますが、重要なのは気持ちよく食べてもらうことです。一般に年とともに食が細くなりますので、しっかり食べてもらうためには、食器のデザインや絵が素敵なことと、思わず食べたくなるような食べものの盛り方が大切と思いました。

 

例えば天ぷらは、色、形が違う数種類(黄色のカボチャ、緑のピーマン、白っぽい魚など)。天つゆのお皿を別に用意して、大根おろしもたっぷりと。また、エビは尻尾を持ち上げて小ぶりでも3匹にするとか、アユの塩焼きは大皿で竹串に刺して焼けた塩が目立つようにするとかです。

 

また、お刺身は、小皿に醤油を入れ、小皿の端にはワサビを置きました。母親は、まず、お箸で器用にワサビをつかんで醤油に入れ、かき回します。次は、お刺身をつかんで醤油につけて口に持っていきます。時には、「マー辛い!」と驚きましたが、味覚がちゃんとしていること、お箸を器用に使っていることを見て嬉しく思いました。

 

母親はウサギ年生まれでしたのでお皿にはウサギの絵、コップには好きなネコや犬の絵が描かれているものを選びました。食べながら絵も楽しい話題にできます。ご飯用のお茶碗、みそ汁用のお椀も、プラスチックよりは重いですが瀬戸もの、漆塗りを使いました。慎重に扱おうとする気持ちになるのと、手首の力の維持のためです。

 

水やお茶を飲むコップは102歳のころまではごく普通のものを使っていましたが、徐々にコップがつかみにくくなってきたので取っ手のあるコップに替えました。この取っ手のデザインが極めて重要でした。

 

通常は親指を取っ手の中に入れるか、親指とほかの指で挟んで飲みました。取っ手が大きすぎるとつかみにくいし、取っ手が小さいか、複雑なデザインだと、親指が入りにくく、入っても時には抜けなくなることもありました。もちろん取っ手が滑りやすいものもつかみにくく不便です。何回か取っ手が合わず落として割ったことがありました。

 

昭和21年茨城県那珂郡村松村生まれ。
東京大学工学部航空学科卒業。
主な職歴: 国土交通省(旧運輸省)
三愛石油株式会社

著者紹介

連載「認知症の母を支えて」103歳を元気に迎えるまでの工夫

認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫

認知症の母を支えて 103歳を元気に迎えるまでの工夫

石塚 武美

幻冬舎メディアコンサルティング

「ところで私の前にいるあなたはどなたなの?」 夕食時に母親から言われた一言をきっかけに、認知症改善への挑戦が始まった――。 おしゃべり、歌、マッサージ……。母親と過ごす毎日は光輝いていた。 日常生活における心掛…

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