『Amazon Prime Video(アマゾンプライム・ビデオ)』『Netflix(ネットフリックス)』をはじめとしたサブスクリプション(=サブスク)を活用している人は多いことだろう。有料動画配信サービスに倣い、大手企業がこぞってサブスクを始めているが、解約率の高さに頭を抱えるケースも少なくない。そんなときに活躍するのが、チャットボットを解約ページに置き、その原因をヒアリングするシステムだ。本記事では、株式会社Macbee Planetエヴァンジェリスト・佐野敏哉氏の書籍『解約新書 マーケッターに捧げる解約の真実と処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋、チャットボットを導入したバンダイチャンネルを例に解説していく。

バンダイチャンネルが先駆け「セリフ検索」の効果

◆時間がない人は「セリフ検索」で見たい場面がすぐ見られる

 

時間がないのでやめたいという人に対しては、バンダイチャンネルで使える「セリフ検索」や短い時間で見られるショートアニメを紹介しています。

 

「セリフ検索」では、思いついた台詞を入力すると、その台詞が出てくる作品の場面が紹介されます。紹介リストから見たいものを選ぶと、動画がその場面から再生されます。記憶に残る作品には名シーンがいくつもありますが、例えば名台詞を検索するとその台詞があるシーンを見つけることができます。あのシーンってどこだったっけというときに、「ああここだ、なつかしいね」という見方ができるのです。

 

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1話を全部見る時間がないときも、自分で早送りしなくてもすぐにそこだけ見られるし、主要場面の拾い見ができるので、これなら解約しなくてもいいかもという気持ちになります。ネットのサブスクリプションならではのサービスといえます。

 

定番アニメの有名な台詞を、オマージュとして引用しているアニメもあります。台詞で検索してみて、知らなかった作品がリストに載り、ついでにそれも見てみようと横に広がる視聴にもつながっています。バンダイチャンネルにはこのほかにキャラクター名やあらすじなどからの検索機能もあります。

 

「セリフ検索」を最初に始めたのはバンダイチャンネルで、ほかの配信サービスでもこれから始まるといいます。映画やドラマでも、忙しくなって見る時間がなくなると、その作品が見たいというだけでなく、あのシーンだけでもすぐに見たいという要望が増えます。

 

多くの人がそう思うシーンもあれば、一人ひとり違うこともあり、要望は細分化していきます。さまざまな要望が増えていけば、それに応えて各種のサービスが出てくるでしょう。それがユーザーの満足度を上げて継続してもらい、LTV(顧客生涯価値)を高めることになるからです。

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