なぜユダヤ人富裕層は「ダイヤモンド」を持ち続けているのか?

日本国内では、長らく現金資産が安全かつ最強の資産とされてきましたが、近年、日本銀行のインフレ政策への転換により、日本円の現金資産は大きなリスクにさらされています。そのようななか、欧米の富裕層の間で安定した資産として人気のダイヤモンドに注目が集まっています。本連載ではシンワダイヤモンド倶楽部主催の倉田陽一郎氏に、資産としてのダイヤモンドの可能性について解説いただきます。

「ダイヤモンド」を持って迫害から逃れたユダヤ人たち

2017年にAERA dot.で羽根田真智さんという人が書いた『ダイヤモンドでリスクに備えるイスラエル ユダヤ人迫害に深い関係が』と題した記事がありましたので紹介します。

 

「子孫に継がせるために資産を作りなさい」

イスラエルの経済・文化の中心地テルアビブ出身のヨセフさん(50代・仮名)は、医師である父親から幾度となく言われてきた。

両親は1948年のイスラエル建国時、ブルガリアから移住し、ゼロから資産を築いてテルアビブに不動産を数軒所有。今も現役だが、すでに30年ほど前に、兄2人とヨセフさんに均等に資産を生前贈与している。

日本で貿易会社を経営するヨセフさんの資産防衛の軸は「ダイヤモンド」だ。同国出身者はダイヤモンドへの思い入れが強いという。それは、イスラエル建国まで「祖国」を持たず、世界各地で迫害を受けたユダヤ人の歴史と深い関係にある。

「ダイヤモンドは小さいので、有事の際、持って逃げられる。政治、経済などの影響を受けにくく、法律上の手続きなしに子孫に譲り渡せる」(ヨセフさん)

出所:『AERA dot.』2017.7.13

 

以上が記事の抜粋となりますが、現代においても、イスラエルの人たちが、ダイヤモンドを資産防衛の有力な手段として保有していることがわかります。相続という観点からダイヤモンドを見ているというのも、非常に興味深い話です。

没落したユダヤ人、富豪になったユダヤ人

現在のウクライナ地方の出身で、穀物商人だったユダヤ系のエフルッシ家は、20世紀初めにフランス・パリやウィーンの金融業界で重要な位置を占めて、ロスチャイルド家に匹敵するといわれるほどの栄華を極めました。

 

しかし、1938年にナチスがオーストリアを併合すると、エフルッシ家の運命は一変してしまいます。財産は没収され、屋敷も占拠され、所有する銀行も事業登録を取り消されてしまうのです。当主ビクトル・エフルッシ(Viktor Ephrussi)氏は、スーツケース2個だけで国を離れ、1945年に無国籍のまま死亡したとのことです。スーツケースのなかには間違いなくダイヤモンドがあったといわれています。

 

戦後のGHQ統治下では、銀行に預けてある旧円のみが新円に切り替わりましたが、1年間は毎日の引出し金額の上限が決まっていたため、実質的なモラトリアム、預金封鎖となりました。

 

ちなみに、GHQの保護観察下にあり、世界的に有名であったレオナール・フジタ(藤田嗣治)の逸話があります。彼は、GHQの将校たちのために絵を描いて売った新円で、モラトリアムで苦しむ地方の名士や事業家からダイヤモンドを買いまくり、ニューヨークに旅立つときには、空になった絵の具のチューブに入れて飛び立ったというのです。

 

さて、エフルッシ家と同じようにナチスに追われ日本にたどり着いて、戦後大富豪となったショール・アイゼンバーグというユダヤ人がいます。アイゼンバーグ氏は日本人の妻を迎え日本で家庭を築き、戦火を生き延びました。そして、ビジネスの才覚があった彼は1960年代までに、ロスチャイルド家に並ぶ世界で最も裕福な人物の一人になったのでした。

 

同じユダヤ人でも、ナチスの迫害により、かたやロスチャイルド家に匹敵する金融一族が一瞬にして没落し、かたや日本でロスチャイルドに匹敵する大富豪になる。人生の流転というものは、激しいものだと改めて感じざるを得ません。その舞台裏には、逃避する際に持ち運んだダイヤモンドによって、生活資金を得たり、事業を再興したりと、様々なドラマがあったといわれています。

 

ユダヤの危機を救ったダイヤモンド※イメージ
ユダヤの危機を救ったダイヤモンド※イメージ

世界経済混乱…ダイヤモンドの資産性が注目される

第二次世界大戦のようなナチスが招いた世界的な混乱は、滅多なことでは起こらないと思いがちですが、21世紀の世界の経済は、いつ何が起こってもおかしくはないほど、危機的な状況になっています。

 

2020年の年明け早々、アメリカ合衆国とイランは第三次世界大戦の導火線に火をつけそうになりました。アジアでも、一番安定して豊かな都市の一つだと信じられていた香港が昨年からデモで大混乱となり、経済が大停滞する状況になってしまったことを考えると、日本でも何かの引き金で事件が起こっても不思議はないでしょう。

 

どのように、自身の資産を守ればいいのか。誰もが真剣に考えなければいけない時代。そこで注目されているのがダイヤモンドです。換金性に優れ、過去の取引価格の推移からも、資産性も高いことは明白です。

 

出所:シンワダイヤモンド倶楽部(https://diamond.shinwa-artex.com/asset/)
[図表1]ダイヤモンドと他投資商品の価格推移 出所:シンワダイヤモンド倶楽部(https://diamond.shinwa-artex.com/asset/)

 

もちろん、資産は分散すべきです。不動産、金融資産等、自国通貨だけでなく米ドル資産も必要です。そのなかで重要な資産が、ダイヤモンドです。ユダヤ人富豪がナチスの迫害から逃れる際にダイヤモンドを持っていったように、混乱の時代にこそ、「資産防衛としてのダイヤモンド」(=いざという危機のために資産として所有し、世代から世代へと引き継いでいくことができるダイヤモンド)が力を発揮します(関連記事:『金は有名だが…資産防衛の手段として「ダイヤモンド」はどう?』)

 

今、この世界で、換金しやすく、かつ持ち運びやすい資産は、「資産防衛としてのダイヤモンド」と仮想通貨くらいです。現物資産として、金や絵画もありますが、持ち運ぶことは困難です。

 

混迷を極める2020年こそ、資産のポートフォリオのなかに、「資産防衛としてのダイヤモンド」を組み込むことをおすすめしたいと思います。

Shinwa Wise Holdings 取締役会長

シンワダイヤモンド倶楽部主催。2001年より、シンワアートオークションにて、宝石オークションを手がける。2005年JASDAQ(当時ヘラクレス)に上場、資産防衛ダイヤモンド構想を提唱。「アートから始まる創造と成長」「ダイヤモンドを組み込む資産ポートフォリオ革命」を掲げる

著者紹介

連載世界の富裕層を魅了する、資産防衛としての「ダイヤモンド」

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