インスペクションレポートとは
インスペクションとは住宅購入前に買い主側が行う物件調査のことで、住宅診断、建物調査、ホームインスペクション、ハウスインスペクションなどと呼ばれることもあります。そして、インスペクションの結果が記載されたものがインスペクションレポートです。
海外ではインスペクションは一般的に行われており、例えばアメリカでは不動産取引の5~7割はインスペクションを利用しているといわれています。日本におけるインスペクションの利用者は欧米諸国に比べると多くありませんが、2007~2008年頃には利用者が急増しました。今後は、日本でもインスペクションがより一般的になっていくと考えられます。
なお、日本ではリノベーションやリフォームの前に持ち主自身がインスペクションを行うこともあります。インスペクションをすることで、補修すべき点の優先順位が明らかになるためです。住宅の現在の状態を正しく把握することは、効率的で満足度の高いリノベーションやリフォームにつながるといえるでしょう。
インスペクションレポートの内容
インスペクションでは、建物の構造・外装・内装、劣化状態、欠陥の有無、施工の品質や精度などを調査します。そして、インスペクションレポートでは診断した項目や結果をチェックリストやコメント、写真を用いて依頼者に報告します。また、住宅に対する総評が記載されていることもあります。
ただしインスペクションレポートの内容は業者によって大きく異なり、簡易的にまとめられている場合もあれば詳細に記載されている場合もあります。業者にインスペクションを依頼するときには、どのようなインスペクションレポートが提出されるのかをあらかじめ確認することも大切だといえます。
インスペクションを行うタイミング
前述したように、インスペクションの主な目的は住宅購入時の判断材料にすることです。専門家が購入したい住宅のコンディションを見極めてアドバイスをくれるため、住宅購入におけるリスクを軽減することができます。
そして、この目的でインスペクションを行う場合のベストタイミングは「申し込み後、契約前」です。申し込みをしておけば、他の人が先に住宅を購入してしまう心配がありません。そして、契約前であればインスペクションの結果によっては購入を中止できます。これによって、「購入してから大きな欠陥が見つかった」という最悪の事態は避けられるはずです。
他にも、住宅を新築するときの品質管理やリノベーションやリフォームの前の現況の把握、自宅の点検などのためにインスペクションを利用する人もいます。インスペクションのタイミングは、利用目的によって異なるといえるでしょう。