タイトルレポートとは
タイトル会社がまとめた不動産の権利関係に関する調査書のことをタイトルレポートといいます。タイトルレポートは日本における登記簿謄本に似ており、日本では不動産に関する情報を登記簿として公的に保管しているため、信頼できる情報に触れることが可能です。しかし、アメリカには登記簿のような仕組みがありません。信頼できる情報なしに不動産取引をしてしまうと、不測の事態に遭遇する可能性が高くなります。
よって、アメリカにおいて不動産の取引をする場合には、不測の事態を回避するためにも、不動産を入念に調査する必要があります。調査の対象としては、日本の登記簿と同じように、物件の所有者、所有権であるか借地権であるかといった権利形態、担保提供の有無などです。また、固定資産税評価額、固定資産納税額、固定資産税やHOAの未払いの有無なども含まれます。
タイトルレポートの内容
タイトルレポートには以下のような情報が主に記載されています。
・物件の基本情報
・物件について現所有者が行った取引の情報
・固定資産税についての情報
・減価償却費についての情報
項目の名称は異なるものの、日本の登記簿と類似する情報が多いです。表題部や甲区に記載されているような、物件や所有者といった基本情報はおおむね書かれています。さらに、暖炉やプールの有無、建築様式など、物件ごとの固有情報も詳細に記載されています。固定資産税についての情報は、登記簿の甲区と固定資産税課税明細書をまとめたような内容になっており、容易に物件の概要を把握できます。しかし、登記簿と異なる点もあるため注意が必要です。例えば、タイトルレポートに記載されている所有者の郵送先住所や電話番号は、所有者が希望する連絡先であるため、所有者に直接コンタクトできるとは限りません。
タイトル保険とは
タイトルレポートには詳細な調査内容がまとめられているとはいえ、調査に不備がないと断言できる、完全な書類を作成することはできません。例えば、タイトルレポートの作成後に、新たな権利者が出現したり、未払金が発見されたりする可能性もあります。そのような事態を回避するために、タイトルレポートに保険がかけられます。この保険のことをタイトル保険と呼びます。要は、レポートに不備があった場合には、保険会社が損害を保障するということです。