レバレッジとは
レバレッジは元々「テコの作用」という意味を持つ言葉です。これを投資の世界では、経済活動において、他人の資本を用いて自分の資本の利益率を高めていくことを指す単語と使われています。レバレッジがよく使われる投資方法には、金融商品の信用取引や不動産を担保とする不動産投資などが挙げられます。特に金融商品の信用取引では株やFXで盛んにレバレッジを用いて取引されています。
それでは不動産投資の際にレバレッジと呼ばれる投資状況はどのようなものがあるかというと、例えば、5,000万円の自己資本を保有している状態で、5億円の物件に投資しようとする際に、金融機関から4億5,000万円借入した場合がそのような状況に該当します。この自己資本に対して借入(他人の資本)が大きければ大きいほど、レバレッジが高いと一般的に言われています。
レバレッジのメリットとデメリット
不動産投資が他の投資と最も異なる点は、融資を受けながら投資ができることです。その融資でレバレッジを用いた投資をすることが可能となっており、それによってさらに大きな利益を得ることができる可能性が高まります。このことが融資を受けられる投資としての一番のメリットと言えます。
例えば同じ利回り10パーセントで、購入金額が100万円のA物件と1000万円のB物件があったとします。自己資本が100万円の状態で、レバレッジを用いず自己資本のみで投資する場合はA物件にしか投資できず、その利益は10万円です。一方レバレッジを用いて、900万円の融資を受けB物件に投資した場合、その利益は100万円となりA物件に投資した場合に比べ利益は10倍になります。ただ当然ながら融資を受けた後には利息の支払いと元金の返済をしていかなければなりません。
しかしその返済が終了すれば物件自体も自分のものになるため、最終的には自己資本のみでは購入できなかった大きな物件を購入できたことになり、そのこともメリットの一つに挙げられます。
他方でレバレッジを用いて投資するときに最も注意しなければならないのが、「逆レバレッジ」と呼ばれる現象です。これは、利息や元金の返済が利益を上回ってしまい、結果的に赤字になってしまうことを指します。この現象は自己資本率が低ければ低いほど発生した際に大きな損益を被るため、レバレッジを用いる前には慎重な検討が必要となります。このようなリスクがあるということがレバレッジのデメリットと言えるでしょう。
良い借金と悪い借金の区別をつけ、より安全かつ利益の出る投資へ
投資の世界では、借金には良い借金と悪い借金があることはよく知られています。まず、良い借金とは自分の資本をより増やしていくためにする借金のことです。悪い借金とは、消費のための借金で、例えば遊興費や生活費など資本を増やすどころかむしろ余計に減らしかねない借金のことを指します。これをレバレッジの概念に当てはめた場合、借金で投資を行うことで利益が得られたのであれば良い借金になりますが、利息ばかりが増大し利益率が低い投資を行ってしまった場合は悪い借金となってしまいます。
またレバレッジでは、借入が大きいほど利益も大きくなる期待が持てる分、つい借入を増やしてしまうことが起きてしまいがちです。その結果投資物件から想定していた利益が得られず、返済に苦慮するということも十分有り得ます。このことがレバレッジにおいて一番悪い借金と言えます。そのような事態を避ける有効な対策としては、レバレッジでの投資をする前に、仮に投資先から利益が得られなくなったとしても、他の収入や資産などから返済ができる範囲の借入がいくらまでなのかをしっかりと把握しておくことが挙げられます。