全額損金保険といえば「60歳まで」が常識だったが…
今日はひとつ、耳寄りなお話をお伝えいたします。
これまで、法人保険の世界において、全額損金タイプといえば、「60歳まで」といったスタンダードが存在していました。
しかし、昨今の全額損金保険の競争において、60歳超でも、70歳でも、80歳でも取り組める全額損金保険の販売が始まりました。
これはさらに、3つの告知事項だけで加入できるもので、健康診断等はありません。手軽に、ご高齢の役員の方でも取り組める時代になりました。
なお、返戻率のイメージとしては以下のようになります。
(左から5年ピーク、10年ピーク、15年ピーク)
<60歳男性>
1年目 59.8% 35.4% 33.1%
2年目 75.4% 62.9% 60.9%
3年目 80.6% 72.2% 70.1%
4年目 83.3% 76.8% 74.7%
5年目 85.0% 79.7% 77.7%
10年目 46.6% 85.6% 83.4%
15年目 28.9% 47.5% 83.4%
<70歳男性>
1年目 59.7% 34.8%
2年目 75.2% 62.5%
3年目 80.5% 71.7%
4年目 83.1% 76.3%
5年目 84.7% 79.1%
10年目 45.0% 84.7%
<80歳男性>
1年目 56.2%
2年目 72.4%
3年目 77.9%
4年目 80.6%
5年目 82.4%
10年目 24.1%
・もう、家族の体を借りるのはおっくうだ
・純粋に、自分自身の死亡保障として使いたい
・健康診断等の負担なく、簡易に手続きしたい
といったご要望がある方にはフィットするものと思います。
重要となるのは「出口で何に使うか」
最後に、全額損金保険は「将来への利益の繰り延べ」ですので、出口で何に使うかが非常に重要です。
ご相談で最も多い出口は、
・修繕費
・退職金
・設備投資
の3つとなります。
この中で退職金については、H30.4.25の東京高裁判決でもあったように、昨今「功績倍率の否認事例」が多数報告されています。社長〇〇倍、常務〇〇倍といった計算にメスが入っているということです。
退職金計算の基本とされているのは「類似法人との比較」です。
社長〇〇倍、常務〇〇倍というようなプレゼンを、営業担当者から受けている場合は、
否認の確率は非常に高いということを認識して、改めて退職金設計をすることが求められています。
60歳、70歳、80歳でも活用が可能な全額損金保険ですが、くれぐれも、出口戦略もふまえた活用を考えたいところです。