激戦の賃貸住宅市場で、「建築家のデザイン」を取り入れたオンリーワンの物件で知られる神奈川の注文住宅大手タツミプランニングと、日本最大級の建築家ネットワークを作り上げたアーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)。両社がタッグを組んで空室リスクの低減を狙う、「建築家と建てる賃貸物件」の秘密を明らかにする本企画。第5回目は、ASJ営業本部の森田祐輔氏と、ASJ事業本部の竹内宗則氏に、賃貸用物件のデザインを「建築家」に頼む際のプロセスについて伺った。

物件完成後の税務・資産運用までサポート

――実際に建築家と一緒に収益物件を開発する際には、どのようなプロセスを踏んでいくものなのでしょうか?

 

ASJ営業本部 特販営業部 森田祐輔氏
ASJ営業本部 特販営業部 森田祐輔氏

森田 まず、ASJ会員になって頂くと、会員さんの要望に応じて、弊社が建築家をピックアップし、プランニングを開始するという流れになります。このとき、複数の建築家から同時にプランの提案をしてもらうことも可能です。

 

だいたい最初のクライアントさんへのヒアリングに半日ほどかけて、それをもとに建築家がプランを考える。このプランニングに期間の制限はありません。クライアントさんが納得するまで、何度でも建築家と打ち合わせを重ねることが可能です。この点が、ハウスメーカーに依頼した場合と決定的に違います。もちろん、建築家を変えることも可能です。

 

お客様のご要望をお聞きし、最適な建築家をご紹介。 お客様・建築家・工務店(スタジオ)が 三位一体となった家づくりを実現
お客様のご要望をお聞きし、最適な建築家をご紹介。 お客様・建築家・工務店(スタジオ)が 三位一体となった家づくりを実現。
 

 

竹内 「余っている土地をどうにかしたい」というクライアントの場合には、初めから建築家に加えて税理士も同席して、ヒアリングとプランニングを進めていくケースもあります。必ずしも、余っている土地すべてを賃貸住宅にして運用する必要はなく、1区画を売却して建築資金を捻出して、銀行借り入れを減らせば利回りを高めることも可能になります。さらに、相続のことを考えて、一棟でフルに土地を活用するのではなく、複数棟建設して物納できるように備えておきましょう、といったご提案をさせてもらうわけです。

 

――建物のデザインだけでなく、資産運用のコンサルティングも行うわけですね。

 

竹内 弊社のスタッフの多くがハウスメーカーなどで土地活用のコンサルティングを行ってきた経験を持つ人間です。所得税、固定資産税、贈与税、相続税と税に関する知識は豊富です。

 

森田 あとは、初めから管理会社の方に同席してもらって、プランニングを進めるケースも多いですね。やはり、「建設して終わり」じゃない。その後、どのように運用していくかが非常に大事です。その点で、管理会社の力は非常に大きい。開発する土地の周辺の住環境から居住者の属性、家賃相場などを調査して、どれぐらいの家賃設定にするか?といったことを考えていくわけです。

 

建築家からのプラン提案のほか
建築家からのデザインの提案だけでなく、資産運用のコンサルティングも行う。

 

不利な立地における収益物件の開発も建築家なら…

――建築家を変更されるというケースは多いですか?

 

竹内 そう多くはありません。というのも、弊社のほうでクライアントが希望する物件に適した建築家をセレクトできるように、過去の建築実績をすべてデータベース化しているからです。だから、クライアントから「木造の木の温かさを生かした物件にしたい」と言われれば、そのような建築物の実績が豊富にある建築家を推薦しますし、「駅遠の変形地の土地を何とかしたい」と言われれば、不利な立地における収益物件の開発に定評のある建築家をすぐにピックアップすることが可能なんです。ただ、どうしてもクライアントと建築家の“相性”もあるので、すべてこちらの推薦した建築家さんのプランで行かないケースもありますね。

 

収益物件の開発に定評のある建築家をすぐにピックアップすることが可能。
収益物件の開発に定評のある建築家のピックアップが可能。

 

――プランが固まったあとの流れというのは。

 

竹内 設計監理業務委託契約を結んだうえで、2~3か月で実施設計を行い、建設会社と工事請負契約を結んで頂いて施工に入ります。この施工の監理も建築家が責任を持って行いますので、大幅に工期がずれ込んだりするようなケースは今までありませんね。

 

[図表] 申込~完成までのフローチャート

 
 
 

 

取材・文/田茂井 治 撮影/永井 浩 
※本インタビューは、2017年5月23日に収録したものです。

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