[連載]民法改正で本格化!中小企業の金融環境を激変させる「事業性評価融資」の大いなる可能性

2017年5月、120年ぶりとなる民法(債権法)の大幅改正が行われた。施行は2020年からで、これにより企業間(発注者、サプライヤーなど)の商取引や支払いなどに様々な影響が予想される。特に注目されるのが、従来から売掛債権の大きな制約となってきた「債権譲渡禁止特約」の扱いが180度変わり、債権譲渡が原則有効とされることだ。これにより、アメリカなどで一般的に行われている集合債権の譲渡担保融資が日本でも可能になる。中小企業にとっては資金調達の新たなオプションが生まれ、同時に金融機関にとってもいわゆる事業性評価融資の可能性が一気に広がる。債権譲渡禁止特約の扱いがどう変わるのか、それによりこれまでの商取引にどのような影響があるのか、そして金融機関は事業性評価融資にどのように取組めばよいのか…? 本企画では、売掛債権の評価・モニタリングの第一人者である田中丸修一氏をお迎えし、小倉隆志社長との対談形式で詳しく解説する。

本連載の著者紹介

株式会社電子債権応用技術研究所 代表取締役研究所長

日本企業の米国法人代表として企業融資を経験。帰国後は一貫して米国型の資金調達支援に携わる。NECリース株式会社(現NECキャピタルソリューション株式会社)執行役員兼ファイナンス事業部長、電子債権アクセプタンス株式会社代表取締役社長を歴任。現在、株式会社電子債権応用技術研究所代表取締役研究所長。特定非営利活動法人日本動産鑑定理事。

著者紹介

Tranzax株式会社 代表取締役社長

一橋大学卒業後、野村證券に入社。金融法人部リレーションシップマネージャーとして、ストラクチャード・ファイナンス並びに大型案件の立案から実行まで手掛ける。主計部では経営計画を担当。経営改革プロジェクトを推進し、事業再構築にも取り組んだ。2004年4月にエフエム東京執行役員経営企画局長に。同年10月には放送と通信の融合に向けて、モバイルIT上場企業のジグノシステムを買収。2007年4月にはCSK-IS執行役員就任。福岡市のデジタル放送実証実験、電子記録債権に関する研究開発に取り組んだ。2009年に日本電子記録債権研究所(現Tranzax)を設立。

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