「もう歳だから」「今さら無理」。50歳を過ぎると、そんな言葉を耳にする機会が増えます。しかし、定年を迎え、会社や役職から離れる生活は、ある意味でFIREと似ています。違うのは、そこまでにどんな準備をしてきたか。30歳から不動産投資を始め、45歳でFIREした55歳の現役大家CFPの竹下昌成氏が、老後に必要な「ココロ・カラダ・カネ」の3つの健康と、理想的な老後の在り方について考えます。
「80代になっても孫世代の担当者と物件を見に行くのが目標」45歳でFIREした現役大家CFPが目指す〈ステキなクソジジィ〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

「昔はすごかった」では通用しない

仕事の世界では、少し厳しい言い方になりますが、実績が重要です。

 

何を積み上げたのか。何を改善したのか。どんな成果を残したのか。年齢を重ねたからといって、過去の肩書だけで評価されるわけではありません。

 

特に、ITへの対応は大きな差になっています。パソコン、インターネット、SNS、動画、そしてAI。私自身、文章作成や資料整理などにAIを活用していますが、以前とは作業の進め方が大きく変わりました。

 

「パソコンは苦手だから」「AIはよくわからない」

 

そこで終わらせてしまうのは、もったいないと思います。

 

また、仕事で大切なのは、相手の時間を奪わないことです。初めて会う相手なら、事前に会社のホームページを見る。名前を検索する。商品やサービスを調べておく。今は簡単にできることです。何も調べずに訪問して、一から説明してもらう。それでは相手の時間を使わせるだけです。経験を積んだ人ほど、準備や段取りで差をつけたいものです。

孫世代の担当者から「元気なおじいちゃんですね」と言われたい

私は、ライフプランとキャリアプランを一体で考えるようにしています。

 

30歳、40歳、50歳、60歳。そのとき、どこで、どんな仕事をして、いくら稼ぎ、どんな生活をしていたいのか。目標から逆算して、必要な資格、経験、スキル、人脈、資産を準備していく考え方です。

 

私自身は30歳から不動産投資を始め、45歳でFIREしました。会社を辞めてからも、不動産賃貸業を続け、FPとして講師や執筆の仕事もしています。会社や役職に所属していなくても、自分で考え、行動し、収入を得られる状態をつくってきました。

 

会社も役職も、いつまでもあるとは限りません。定年が近づいてから慌てるのではなく、自分で将来を考える。私はこれを「自力で黄昏研修」と呼んでいます。

 

そして、私にはもう一つ、将来の楽しみがあります。70代、80代になっても不動産取引を続けることです。その頃には、不動産会社の担当者は孫のような世代になっているでしょう。若い担当者と一緒に物件を見て、価格や賃料、リフォームの話をする。パソコンやAIも普通に使い、若い人の話にも耳を傾ける。

 

そんな取引を続けながら、「元気なおじいちゃんですね(笑)」と言われたいと思っています。

 

もちろん、人生は計画どおりにいくことばかりではありません。ただ、60歳になることも、70歳になることも、何十年も前からわかっていたことです。これまで何を積み上げてきたのか。そして、これから何を積み上げるのか。

 

「ココロ・カラダ・カネ」の3つの健康を維持しながら、ステキなクソジジィを目指していきたいと思います。

 

 

竹下 昌成

竹下FP事務所 代表

日本FP協会認定CFP・TAC講師