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憧れのシニア向け分譲マンションで迎えた誤算
高橋修さん(68歳・仮名)と妻の由美子さん(65歳・仮名)は、3年前、郊外の戸建てを売却し、シニア向け分譲マンションに移り住みました。修さんは中堅企業を定年退職。子どもたちは独立し、夫婦2人で暮らすには、都内にある築40年の戸建ては広すぎると感じていたからです。
自宅の売却代金と預貯金を合わせ、老後資金は5,000万円。夫婦が選んだのは、レストランや大浴場があり、コンシェルジュも常駐する新築マンションでした。価格は4,000万円。住宅ローンを組まず、現金一括で購入しました。
「利用権方式の老人ホームとは違い、こちらは所有権があります。いざとなれば売却できますし、子どもに資産として残すこともできる。老後の住まいとして申し分ないと思っていました」
入居後しばらくは、快適な生活が続きました。ところが3年目、管理組合から管理費や共用施設の維持費などを値上げする方針が示されます。人件費や委託費の上昇に加え、将来の修繕に備える必要があるという説明でした。
入居時に月額7万円だった維持費は、段階的な引き上げを経て、月額13万円になることが決まりました。夫婦の年金収入は手取りで月24万円。食費や光熱費、医療費などを考えると、住居費だけで年金の半分以上が消えてしまいます。
国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、長期修繕計画に対して修繕積立金が不足しているマンションは36.6%に上りました。すべてのマンションで値上げが起きるわけではありませんが、購入時の月額負担だけで将来の費用を判断するのは難しい面があります。