家族4人のパン代が、なんと月2万円。年間24万円、20年間では480万円にもなります。住宅購入に向けたライフプラン相談で、思わず驚いた家計の支出です。相談者は4,000万円程度の戸建てへの住み替えを希望する40代夫婦。家族全員がパン好きで、ホームベーカリーを提案しても「お店のパンが食べたい」とのこと。住宅購入と家族の楽しみをどう両立させるのか。現役大家CFPの竹下昌成氏が、実際の相談事例をもとにご紹介します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。 本文
「家とパン、どっちを削りますか」4,000万円の住宅を買うなら年間24万円のパン代を諦めないといけない…本気で悩む〈パン大好き4人家族〉【CFPの提案】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「パン代が月2万円!?」ライフプラン相談で驚いた家計簿

ファイナンシャルプランナーとして、これまで多くのご家庭のライフプランを作成してきました。


家族構成や収入、貯蓄、教育費、生活費などを詳しくヒアリングして、将来の家計収支をシミュレーションします。当然、食費についても確認しますが、あるご家庭の相談では思わず驚いてしまいました。


パン代が、毎月2万円もあったのです。


相談者は、大阪府K市にお住まいの40代のご夫婦。


ご主人は会社員、奥さまはパート勤務。中学生と小学生のお子さんがいる4人家族です。現在の住まいでは隣人との折り合いが悪く、落ち着いて生活できないことが悩みでした。そこで、思い切って4,000万円程度の戸建て住宅に住み替えたいと考え、ライフプランの作成を依頼されたのです。


住宅購入後の家計に無理がないかを確認するため、毎月の支出を一つずつ聞いていきました。


そこで出てきたのが、月2万円のパン代です。


詳しく聞くと、ご夫婦だけでなく、お子さん2人もパンが大好き。家族みんなで、お店のおいしいパンを楽しんでいるそうです。

月2万円でも、20年間なら480万円

パン代が月2万円。毎月の支出としては、それほど大きな金額に感じない人もいるかもしれません。

 

しかし、年間では24万円。10年間で240万円。20年間では480万円になります。住宅ローンの返済期間と重ねて考えると、かなり大きな金額です。


もちろん、パンを食べなければ480万円がそのまま貯まるという話ではありません。ただ、毎月の支出は長い期間で考えると大きな金額になります。


今回のご家庭は、お子さんが中学生と小学生。これから高校、大学と進学する時期を迎えます。教育費の負担が増える一方で、4,000万円程度の住宅購入も検討しているのです。住宅ローンを返済しながら、今の生活をどこまで維持できるのか。そこで、ご夫婦に聞いてみました。


「家とパン、どっちを削りますか?」


住宅購入を優先するなら、毎月の生活費にも目を向ける必要があります。しかし、パンは家族4人の大きな楽しみでもあります。


「でも、お店のパンが食べたいんです」


私は、ひとつの方法を提案しました。


「ホームベーカリーとか、おいしいですよ」


最近のホームベーカリーなら、自宅でも焼きたてのパンを楽しめます。ところが、奥さまから返ってきたのは、


「でも、お店のパンが食べたいんです」


なるほど(笑)。


このご家庭にとっては、単にパンが食べられればいいわけではないのです。お店で買う、おいしいパンが好き。だったら、その楽しみをなくす必要はありません。


そこで、こんな話をしました。


「では、回数を少し減らして、新居で静かに優雅に食べましょう」


パンを買う回数を少し減らせば、支出も多少は変わります。


例えば月2万円を1万5,000円にすれば、年間6万円。10年間で60万円、20年間では120万円の違いになります。


ただ、私が提案したかったのは、単にパン代を節約することではありません。

 

新しい家で、家族そろっておいしいパンを食べる。隣人との折り合いを気にすることなく、落ち着いた空間で食事を楽しむ。せっかく新居を購入するのですから、家で過ごす時間そのものを楽しんでほしいと思ったのです。