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同期の「2,000万円必要だろう?」 に59歳会社員が反論したワケ
「老後資金は2,000万円必要なんだろう?」
会社の休憩時間、同期のひと言に佐々木誠さん(59歳・仮名)は首をかしげました。メーカーに勤める誠さんは、あと1年ほどで定年を迎えます。妻の由美さん(57歳・仮名)と暮らす自宅は持ち家で、住宅ローンはすでに完済。子どもも独立しています。
誠さんは、老後資金としてまとまったお金が必要になること自体は理解していました。ただ、2,000万円という数字に違和感を覚えたといいます。
「2,000万円というのが、少し前に騒がれた『老後2,000万円問題』ですよね。確か、コロナ禍前の。あれから時間も経っていますし、状況も変わっているんじゃないかなと思いました」
誠さんは同期の言葉に「うちは住宅ローンもないし、子どもの教育費もかからない。年金がいくら受け取れるかによって違うんじゃないか? 」と反論。すると同期からは「でも、老後は長いぞ」と返ってきたといいます。
確かに、長生きすれば生活費は長期間にわたって必要になります。病気や介護、住宅の修繕など、予想外の支出も考えなければなりません。あくまでも「2,000万円不足する」というのは一般論。自分たちはどうなのか、考えるきっかけになったといいます。
「老後2,000万円問題」は、2019年に金融庁の報告書が提示した「高齢夫婦の無職世帯で毎月約5.5万円の赤字が30年間続くと、約2,000万円が不足する」という試算が発端となったもの。2017年(平成29年)の『家計調査』のデータをもとに計算されたものです。
2025年の『家計調査』で65歳以上の高齢夫婦無職世帯における、1カ月あたりの平均収支を考えると、年金などの実収入は25万4,395円、生活費と税金・保険料を足した実支出は29万6,829円、毎月の赤字額は4万2,434円となります。夫婦の老後が30年続くとすると1,527万6,240円の赤字。2025年調査をもとにすると、「老後1,500万円問題」になるわけです。
また、この試算は「持ち家があり、住宅ローンの支払いが終わっている平均的な世帯」を基準にしています。老後資金を考えるうえでの一つの指標にすぎないと留意する必要があるでしょう。