(※写真はイメージです/PIXTA)
同居期間の長い熟年夫婦における離婚の増加
中央労働委員会『令和4年退職金、年金及び定年制事情調査』の「産業、勤続年数、学歴別定年退職者の平均退職金額(男性)(令和4年度1年間(決算期間))」によると、大企業に勤める男性の満勤勤続(定年退職)における平均退職金額は、大学卒で2,139万6,000円、短大・高専卒で2,015万9,000円、高校卒で2,019万9,000円となっています。学歴が高校卒であっても、大企業で定年まで勤め上げれば2,000万円を超えるまとまった退職金を得られる実情が窺えます。
しかし、いくら十分な退職金を得ていても、相手の希望を聞かずに独断で高額な買い物を決めつける姿勢は、日々の物価高や将来のリスクに直面する妻との溝を浮き彫りにするだけでした。相手の気持ちを無視し、どこまでも自分の満足を優先する態度を長年続けてきたことで、熟年離婚へと向かわせる決定打となってしまったようです。
近年の日本の婚姻・離婚動向を見ても、同居期間が長い夫婦の離婚は拡大傾向にあります。厚生労働省『令和6年人口動態統計』によると、2024年の年間離婚件数は18万5,904組を記録し、人口千人に対する離婚率は1.55となりました。2023年以降、離婚件数および離婚率の双方において再び上昇に転じる動きが見られています。さらに同統計では、2024年は前年と比較して同居期間が5年以上のすべての階級で離婚件数が増加していることが判明しており、長年生活をともにしてきた夫婦であっても熟年破綻を選択する世帯が増加している現実が客観的な数値として表れています。
退職金の支給や定年退職は、家族の生活基盤や夫婦関係を再構築する機会ですが、客観的な収支シミュレーションや日頃から相手の立場に立ったコミュニケーションを欠いたまま自己満足な判断を押し付けた場合、修復不可能な熟年離婚を引き起こす危険性を秘めています。
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