「収入は減ったけれど、後悔はない」週3日勤務で見えた現実
移住後の直樹さんは、週3日、自宅でIT関連の業務を請け負っています。
月の売上は平均約22万円。案件によって変動するものの、年間では約260万円の収入を見込んでいます。
一方、生活費は月約15万円です。
家賃は5万2,000円。食費が約3万5,000円、光熱費や通信費、日用品などで約3万円。残りを交通費や趣味などに充てています。
「都内にいたころは家賃だけで12万円でした。それが半分以下になったのは大きいですね」
ただし、売上の22万円をすべて生活費に使えるわけではありません。
直樹さんは個人事業主として働いており、所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金保険料なども負担しています。
退職直後は前年の所得を基にした住民税や国民健康保険料が重くなるため、生活費とは別に支払い用の資金を確保しました。
「最初の年は、思ったより出ていくお金が多かったです。会社員のころは給与から引かれていたものを、自分で払うようになったので」
総務省統計局『家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果の概要』によると、単身世帯の1ヵ月当たりの消費支出は平均17万3,042円です。
現在の直樹さんは、月曜日から水曜日を仕事の日と決めています。
木曜日は近所の図書館で本を読み、金曜日は少し遠くまで出かけることも。休日には、地域の登山サークルに参加するようになりました。
「以前は土日も仕事の疲れを取るだけで終わっていました。今は平日に出かけられるのがうれしいですね」
もっとも、収入が安定しないことへの不安はあります。今年の春には、取引先の都合で案件が一つ終了し、翌月の売上が約14万円まで減りました。
「そのときは、やっぱり正社員のほうが安心だったかなと思いました」
幸い、別の案件を受注できましたが、今後も同じように仕事が得られる保証はありません。
そのため直樹さんは、生活費や税金などに備えた預貯金を確保し、投資信託についても値下がりを想定して管理しています。
「資産3,500万円があるから一生安心、とは思っていません。仕事が減ったら、週4日に増やすことも考えています」
週3日の働き方を続けること自体が、目的ではないといいます。
「今のところは週3日で十分です。でも、必要なら働く日を増やせばいい。そうやって自分で決められるのが、一番よかったことですね」
収入を減らして働く時間を短くするには、一定の資産だけでなく、毎月の支出や税金・社会保険料、将来の年金などを見通す必要があります。
また、仕事の継続性や資産運用の変動も考慮しなければなりません。自分に合った働き方を選ぶためには、現在の資産額に加え、収入が減った場合にも生活を維持できるかを具体的に確認することが重要でしょう。
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