(※写真はイメージです/PIXTA)

定年を待たずに会社を辞め、働く時間を減らして暮らしたいと考える人もいるでしょう。近年は、一定の資産を築いたうえで、生活費の一部を仕事の収入で賄う「サイドFIRE」という考え方も知られるようになりました。ただし、収入が減れば家計の管理も変わります。仕事中心の生活から離れた人は、どのような毎日を送っているのでしょうか。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「この生活をあと20年続けるのか…」退職を決めた理由

47歳の直樹さん(仮名)は、昨年、東京都内のIT企業を退職し、地方都市へ移住しました。

 

それまではシステム開発の進行管理を担当し、年収は約780万円。独身で、都内の賃貸マンションに一人で暮らしていました。

 

「給料には不満がなかったんです。ただ、毎日仕事のことばかり考えていました」

 

管理職になってからは会議が増え、帰宅が午後10時を過ぎる日も珍しくありません。休日にも取引先から連絡が入り、気が休まらなかったといいます。

 

転機となったのは、45歳のときに参加した大学時代の友人との集まりでした。

 

地方に移住した友人が、週4日働きながら趣味の登山を楽しんでいると聞き、直樹さんは興味を持ちました。

 

「そんな働き方で生活できるの?」

 

思わず尋ねると、友人は「支出を抑えれば、思ったほどお金は必要ないよ」と答えたそうです。

 

帰宅後、直樹さんは自分の資産を確認しました。

 

当時の金融資産は約3,200万円。預貯金が約1,100万円、投資信託が約2,100万円でした。

 

新卒で就職してから約23年間、独身生活を続け、毎年の賞与を中心に貯蓄。30代前半からは投資信託の積立も続けていました。

 

「年収が上がっても生活水準をあまり変えなかったので、気づけば結構貯まっていたんです」

 

その後も貯蓄と運用を続け、退職時の金融資産は約3,500万円になりました。

 

ただ、直樹さんは仕事を完全に辞めるつもりではありませんでした。47歳で収入を失い、65歳まで18年間、生活費をすべて資産から取り崩すのは不安だったからです。

 

「週に3日くらいなら働きたい。仕事そのものが嫌になったわけではなかったので」

 

移住先に選んだのは、以前から旅行で何度か訪れていた地方都市でした。駅前にはスーパーや病院があり、車がなくても日常生活を送れる地域です。

 

退職前には実際に現地へ足を運び、賃貸物件の家賃や交通の便を確認。都内の知人を通じて、IT関連の業務委託案件も探し始めました。

 

「移住してから仕事を探すのは怖かったので、収入の見通しを立ててから退職しました」

 

こうして直樹さんは、長年勤めた会社を辞め、新しい生活を始めることにしたのです。

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