(※写真はイメージです/PIXTA)

人口減少基調にある日本。人口が集中する首都圏においても例外ではありません。そのようななか、今後、どこが投資エリアとして有望なのでしょうか。不動産投資の検討において重要な要素のひとつ「人口」と、その背景にある「街の定住性」に注目をして考察していきます。今回注目するのは、西武新宿線「狭山市」駅です。

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再開発で整備された駅前機能と、入間川周辺の居住環境

埼玉県南西部、狭山市に位置し、西武鉄道新宿線が乗り入れる「狭山市」駅。人口約15万人の狭山市の中心駅とです。西武鉄道の発表によると、1日平均乗降人員は約3万7,200人(2024年)で、西武鉄道全92駅中24位。特急「小江戸」をはじめ通勤急行や急行など全種別の列車が停車する主要ターミナル駅として稼働しています。

 

西武新宿線の急行を利用すれば、JR山手線や東京メトロ東西線が乗り入れるターミナル駅「高田馬場」駅まで約42〜45分(特急「小江戸」利用で約33分〜36分)、「西武新宿」駅へは約45〜48分(特急で約35分〜37分)でダイレクトに繋がります。

 

高田馬場駅でのスムーズな乗り換えにより、「池袋」駅へ約50分、「新宿」駅や「大手町」駅へも1時間圏内と、都心主要エリアへ快適にアプローチ可能です。また、特急「小江戸」を利用して座席指定でゆったり通勤できる点も、日々の移動ストレスを軽減したい社会人にとって大きな魅力となっています。

 

駅西口エリアは、グッドデザイン賞や都市景観大賞を受賞した駅前再開発エリア「スカイテラス」として綺麗に整備されています。

 

ここには、駅改札から段差なしで繋がる開放的なペデストリアンデッキや市民広場を中心に、行政窓口や図書館が入る複合施設「狭山市市民交流センター」、商業・住宅棟が集積しています。駅直結の「Emio(エミオ)狭山市」に入居するスーパー「ブルーミングブルーミー」やカフェをはじめ、西口側には大型スーパー「ベルク狭山入間川店」やショッピングモール「そよら武蔵狭山」が徒歩圏内に揃い、日常の買い物環境は良好。

 

公共手続きから買い物までが駅前で完結する利便性は、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する一人暮らしの若者にとって理想的な生活基盤といえます。

 

また、狭山市駅周辺は「学園都市」としての側面も持ち合わせています。駅前からは「武蔵野学院大学」をはじめ、周辺の多くの高校・大学へ向かうバス路線やスクールバス網が集積しており、年間を通じて多くの学生が行き交います。こうした学生層の存在は、単身者向けの賃貸需要を長年にわたって底堅く維持し続ける大きなアドバンテージとなっています。

 

都会的な利便性を享受できる一方で、武蔵野の豊かな自然環境が身近にあることも狭山市エリアならではの魅力です。駅から少し足を延ばせば、入間川の河川敷に広がる憩いの場や「狭山入間川七夕まつり」で賑わう伝統ある街並みが広がっています。

 

優れた都市機能と豊かな自然環境が見事に調和した狭山市駅周辺は、今後も単身者をはじめとする現役世代に選ばれ続ける、確かな将来性を秘めた地域といえるでしょう。

安定した人口基盤と「単身世帯」の旺盛な需要

 

 

優れた住環境と生活利便性を誇る「狭山市」駅周辺。では、不動産投資、特に単身者向けアパートの投資エリアとしての実力はどうなのでしょうか。実際のデータから、その高いポテンシャルを紐解いていきます。

 

令和7年度の国勢調査の速報によると、狭山市の総人口は14万2,751人。埼玉県全63の市区町村のなかで、13番目の規模を誇り、埼玉県南西部において安定した都市規模を維持しています。しかし5年前調査から人口は-4%ほど減少。少子高齢化による自然減が主な要因で、県内でも上位に入る人口減少数が報告されています。

 

一方で注目したいのは世帯数。国勢調査では6万5,344世帯で、5年前調査から2.4%増となっています。つまり、核家族化、つまり単身世帯が増えているということ。一人暮らし向けの不動産投資については、高いポテンシャルのあるエリアといえるのです。

 

出所:令和7年度国勢調査速報
【図表1】埼玉県市区町村人口トップ20出所:令和7年度国勢調査速報

 

令和7年度国勢調査はまだ速報値しか公表されていないので、ここからは令和2年度の結果で狭山市の実情をみていきます。

 

狭山市の昼夜人口比率は95.07%。100%を下回っているので、典型的な「ベッドタウン」の傾向が強いエリアであるものの、隣接する所沢市や入間市は約87~88%。それらのエリアと比較すると、域内で通勤通学する人も多いエリアという特徴があります。

 

主な流出先(通勤・通学先)をみていくと、トップは隣接する「所沢市」で、全体の15.9%。続いて「川越市」が13.8%、「入間市」が9.7%。全体の4割弱が近距離の移動です。第4位には「東京都新宿区」(4.9%)、第6位に「東京都千代田区」(2.9%)、第8位に「東京都豊島区」(2.7%)と、西武新宿線でダイレクトに繋がる東京都心部がラインクイン。近距離の通勤・通学者のほか、都心部への通勤・通学者がバランスよく混在するのが、狭山の特徴。

 

出所:令和2年度国勢調査速報
【図表2】狭山市の域内流入者数・域外流出者数出所:令和2年度国勢調査速報

 

駅前から発着するスクールバスや路線バスを利用して通学する近隣大学・専門学校の「学生需要」と、西武新宿線を利用して都心へ通勤する20代・30代を中心とした「若い社会人需要」が絶え間なく流入するため、一人暮らし向け物件に対するニーズは底堅いと考えられます。

 

つまり、狭山市駅周辺は「都心の高い家賃相場を避けつつも、通勤・通学の利便性を妥協したくない」と考える単身者にとって、非常に魅力的な選択肢となっていることが分かります。学生層と若い社会人層という「二大需要層」を同時に取り込める点は、アパート経営における空室リスクの軽減と安定稼働に大きく貢献します。

 

続いて、狭山市駅周辺の単身者向け物件の家賃相場を見てみましょう。西武新宿線の主要駅であり、特急停車駅としての利便性を考慮すると、手頃感のある魅力的な水準に設定されています。各種住宅検索サイトのデータを参照すると、狭山市駅周辺の平均家賃はワンルームが約4.8万〜5.2万円、1Kが約5.3万〜5.8万円。

 

都心近郊で働く若い会社員の平均手取り額から考慮しても、家賃負担が収入の3分の1以内に十分収まる「1K(約5.5万円前後)」は、入居者にとって無理なく支払える現実的な設定です。オーナー目線から見れば、建築コストや物件購入価格を抑えつつ高い稼働率を維持できるため、優れたキャッシュフローをもたらすことが期待できます。

 

中長期的な不動産投資において、将来の人口予測は重要な指標です。国立社会保障・人口問題研究所のデータに基づいた分析によると、自治体全体としては緩やかな人口減少が見込まれるものの、「狭山市」駅周辺の500m〜1km圏内(駅近エリア)に限ってみると、利便性の高さから単身世帯の集中傾向が続くと予測されています。

 

出所:国土交通省「将来人口推計データ」
【図表3】「狭山市」駅周辺の将来人口推計メッシュマップ(総数)出所:国土交通省「将来人口推計データ」

 

西武新宿線「狭山市」駅周辺は、高田馬場・西武新宿方面へのアクセス、再開発エリア「スカイテラス」を中心とした高い生活利便性、そして学生と社会人が織りなす豊富な単身需要が見事に調和した、確かなポテンシャルを持つエリアです。

 

競合物件との差別化を図り、ターゲット層に合わせた設備を適切に選定・維持していくことで、狭山市駅周辺でのアパート経営は長期にわたって確実で堅実な資産形成を実現してくれるでしょう。