年齢とともにケガや病気のリスクは高まります。リタイア生活がはじまり医療費や生活費が不安なとき、手厚い保障や資産運用を謳う保険を勧められると、つい加入したくなるものです。しかし、保険のなかには「60代からの加入にはまったく向かないもの」もあります。長岡FP事務所代表の長岡理知氏は、その代表例が「変額保険」といいます。今回は、定年退職時に勧誘された加入し、数年後に頭を抱えることになった65歳男性の事例を見ていきましょう。※個人の特定を防ぐため、事例は一部脚色しています。
こんな保険、入らなきゃよかった…年金18万円・退職金2,500万円の68歳夫が大後悔した、「変額保険」の契約。きっかけは「都内高級ホテル・紅茶とケーキ付き無料セミナー」【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

息子に変額保険に入っていることを伝えると…

お盆に帰省した長男のSさん(38歳)に、Tさんは変額保険に入っていることを伝えました。

 

「なにかあっても、お前に2,000万円は残るから」。すると、長男のSさんは「俺は仕事をしているし、父さんが亡くなっても2,000万円なんていらないよ。葬式代くらい俺が出せるくらいは貯蓄があるし。なんでそんな無駄な保険に入ったの」と返します。

 

生命保険としてもあまり使い道がないと気づき、がっかりするTさんでした。

 

「老後に入るべきではない」生命保険

65歳を過ぎてあえて生命保険に加入するとしたら、掛け捨ての医療保険や介護に備えた保険だけでしょう。死亡保険は自分のお葬式費用を賄うために入る人もいますが、その分の預貯金があるなら不要です。

 

逆に入るべきではない生命保険もあります。それは、変額保険のように「手持ちのお金を増やすことを期待してリスクを抱える」タイプの生命保険すべてです。変額保険だけでなく、外貨建て保険も含まれます。

 

誤解がないようにいうと、変額保険も外貨建て保険も決して悪い保険ではなくメリットのある優れた金融商品です。しかし解約返戻金や運用や為替で大きく変動するため、運用期間に余裕のある若い人にしかメリットがありません。10年後にお金が必要というような高齢者にとっては、まったく不向きとしかいえません。

 

月払いの保険だけでなく、一時払いの保険も同様です。現金が手元にあるならわざわざ生命保険に置きかえる必要はないでしょう。ただし死亡保険金を相続の分割という目的にするというのであれば、メリットがあります。

 

定年退職後に必要な生命保険がごく限られます。少なくとも「手持ちのお金が増える」というニュアンスでの勧誘はすべて断るのが無難です。

 

 

長岡 理知

長岡FP事務所

代表

 

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