シルバーウィークに長男一家が帰省するのを楽しみにしていた、年金月25万円で暮らす70代夫婦。ところが今年は突然「行けない」との連絡が届きます。気になった女性が長男に理由を聞いても、返ってきたのは曖昧な答えだけ。そこで長男の妻に連絡すると、思いがけない事情が明らかになりました。総務省「家計調査」によると、年収1,000万~1,250万円の勤労者世帯でも、月の消費支出は約44万円、税・社会保険料などの非消費支出は約18万円。ある家族の事例から、親子・きょうだい間で曖昧になりがちな「誰がお金を負担するのか」を考えます。
今年は行けません…〈世帯年収1,200万円〉長男一家がシルバーウィークの帰省を拒否。「一体なぜ?」70代母が聞かされた〈たかり体質の長女一家〉の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

シルバーウィークに来るはずだった長男一家だが…

神奈川県で暮らすトミコさん(72歳・仮名)は、シルバーウィークを心待ちにしていました。毎年のように、東京から長男一家が遊びに来てくれるからです。

 

74歳の夫との2人暮らしで、夫婦の年金収入は月25万円ほど。住宅ローンはすでに完済しています。

 

長男のダイスケさんは45歳。43歳の妻・アヤさん(仮名)と小学生の子ども2人の4人家族です。

 

長男夫婦は共働きで、世帯年収は約1,200万円。仕事や子どもの学校、習い事などで普段は忙しく、お盆は妻の実家へ。ゴールデンウィークやシルバーウィークなどを利用してトミコさん夫婦を訪ねることが恒例になっていました。

 

今年のシルバーウィークは、ちょうどトミコさんの誕生日とも重なります。

 

例年、長男夫婦が、

「せっかくだから、お母さんの誕生日祝いをしよう」

と食事に連れて行ってくれるため、トミコさんも内心楽しみにしていました。

 

ところが、長男から届いたメッセージは予想外のものでした。

 

「ごめん。今年のシルバーウィークは行けないから」

 

トミコさんは拍子抜けしました。

 

「何か予定があるの?」

 

そう聞いても、長男は、「まあ、ちょっとね」とはっきり答えません。

 

共働きなのだから疲れているのかもしれない。せっかくの連休くらい家族4人でゆっくりしたいのだろう。トミコさんもそう納得しようとしました。

 

しかし、どこか引っかかります。アヤさんとはこれまで、近すぎず遠すぎず、良好な関係を築いてきたつもりでした。

 

「何もなければいいけれど、私が何かまずいことをしてしまったのかも……。だったら、今のうちに確かめておいたほうがいいかもしれない」

 

そう思ったトミコさんは、数日後、思い切ってアヤさんに電話をしました。

 

「お義母さんには会いたいんです。でも……」

「今年、何かあったの? 私たち、何か嫌なことをしてしまった? もしそうだったら謝りたいから、なんでも言ってちょうだい」

 

電話の向こうで、アヤさんは少し言葉に詰まりました。そして、申し訳なさそうに話し始めたといいます。

 

「お義母さんたちに会いたくないわけではないんです。むしろ、お義母さんとは気が合うと思っていますし、お義母さんのお誕生日も、もちろんお祝いしたいと思っています」

 

「じゃあ、どうして?」

 

トミコさんが聞くと、アヤさんはためらいながら答えました。

 

「ここ最近、お義姉さんたちも必ず来るようになったじゃないですか」

 

トミコさんには、長男のほかに48歳の長女がいます。

 

長女も結婚しており、夫と子ども2人の4人家族です。

 

ここ数年、長男一家がトミコさんの誕生日に合わせて帰省すると、それを聞いた長女が、

「じゃあ、うちも行こうかな」

と加わることが増えていました。

 

トミコさん自身も、

「せっかくだから、みんなで集まりなさいよ」

と長女を誘っていました。

 

家族みんなで集まったほうが楽しい。ただそれだけのつもりだったのです。

 

しかし、アヤさんにとっては少し違っていました。