未婚率が上昇する現代において、年を重ねても実家で親と同居し続けるライフスタイルは決して珍しくなくなりました。しかし、その裏で静かに進行しているのが、親に経済的に依存したまま年を重ねる「リスクの先送り」です。親が健在なうちは見えなかったリスクが、ある日突然、破滅的な現実となって襲いかかるかもしれません。事例を見ていきます。※事例の人物名はすべて仮名です。
(※写真はイメージです/PIXTA)
突然終わりを迎えた、虚飾の生活
しかし、そんな歪んだ生活も唐突に終わりを迎えます。81歳で母親が他界し、ほどなくして父親に重度の認知症を発症。自宅での生活が困難になり施設へ入所することに。父親の年金はすべて施設利用料へ充てられることになり、ヤスオさんの小遣いは一瞬で途絶えたのです。
そこで初めて父親の通帳を確認したヤスオさんは、言葉を失います。
「えっ……これしか残っていないのか?」
68歳で仕事をリタイアした父親は、13年以上にわたり年間約240万円(総額3,000万円以上)のペースで貯蓄を取り崩していました。残された預金は1,000万円未満。ヤスオさんがこれまでどおりのペースで使い込みを続ければ、わずか3年足らずで底をつく計算です。
親の介護費用と自分自身の生活費という現実に直面し、親の金で塗り固めたはりぼてのプライドは打ち砕かれ、ヤスオさんは「もう俺の人生は終わった」と頭を抱えるばかり。具体的な打開策を見出せないまま立ち尽くしています。