明確な不満はないものの、年齢やお金、将来への不安から転職について悩む日々を送る人は多いでしょう。現職にとどまる決意も、転職する覚悟も固まらない「キャリアの停滞感」から抜け出すにはどうすべきか。吉田直実氏の著書『中間管理職の生存戦略 自分の「思い込み」に気づき最適解を見つける本』(ごきげんビジネス出版)より、今すぐ辞めたいわけではないが現状に迷う人へ向けて、転職か残留かの判断軸を紐解きます。
「今すぐ辞めたいほどではないが…」求人サイトを眺めては閉じる人のモヤモヤ。“文句”は出ても“退職届”は出せない人の共通点 (※写真はイメージです/PIXTA)

現職に決定的な退職理由はないが…転職すべきか否か、モヤモヤする日々

仕事内容にも会社にもそれなりに不満はあるが、「今すぐ辞めたい」と言い切れるほどではない。ただ、このままここにいてもいいのか、ほかにもっと自分を生かせる場所があるのではないか、という漠然としたモヤモヤが消えません。

 

年齢、家族、お金、キャリアの将来性……一つひとつを考えはじめると、何を基準に決めればいいかわからなくなる。求人サイトを眺めては「でも、今より悪くなったらどうしよう」と不安になり、かといって現職にとどまる決意も固まりません。上司として部下を抱える立場であれば、「自分が辞めたらチームはどうなるか」という葛藤も生まれます。

 

転職を考えることは珍しくないですが、「残る・出る」の判断は人生に影響が大きく、正解が1つに定まりません。転職か、残留か、その分かれ道に立ったとき、何を手がかりに自分の答えを見つければいいのか……。簡単には結論の出ない、悩ましいテーマではないでしょうか。さあ、あなたなら、どうする!?

転職か残留か、選べない人の「5つ」の選択肢

1.心と身体の状態を基準にする(健康・メンタル型)

メリット:燃え尽きや鬱状態を避け、自分を守る判断ができる。

デメリット:「しんどい=即転職」と短絡的になりやすい。

注意点:一時的な忙しさか、構造的に改善が見込めないかを分けて見る。必要なら専門家にも相談する。

 

2.スキルと市場価値で評価する(マーケット型)

メリット:自分の経験が社外でどれだけ通用するかを客観視できる。

デメリット:市場価値ばかりを追うと、やりがいや人間関係を軽視しがちになる。

注意点:エージェントや知人からフィードバックをもらい、「今の会社で伸ばせるスキル」と「外でしか伸びないスキル」を分けて考える。

 

3.お金と生活設計から考える(ライフプラン型)

メリット:年収・貯蓄・教育費など、現実的な条件から冷静に判断できる。

デメリット:金銭条件だけで判断すると、精神的な満足度が低くなることもある。

注意点:年収だけでなく、勤務時間・通勤・在宅可否など「人生の時間の使い方」もセットで比較する。

 

4.上司・組織文化との相性で見る(カルチャーフィット型)

メリット:ストレスの大半を占める「人・文化」の要因を正面から扱える。

デメリット:異動や上司交代で状況が変わる可能性を見落としがち。

注意点:「この会社全体が合わない」のか「今の部署・上司が合わない」のかを切り分けて考える。

 

5.「残る前提」でできる打ち手をすべて試す(仮説検証型)

メリット:転職を「最後のカード」とし、それまでに自分で変えられるものを最大限試せる。

デメリット:行動せずに考え続けると、悩む期間だけ長引いてしまう。

注意点:期限を決めて、上司との対話や異動相談、仕事の断り方の工夫など、具体的な行動リストをつくって1つずつ試す。