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年収1,000万円超…もっと生活に余裕があると思っていた
「体調が悪いなら、倒れる前に言ってくれないと困る」
そう言われたのは、救急搬送された病院のベッドの上でした。東京都内の中堅企業で働く橋本達也さん(47歳・仮名)。営業部門の管理職で、年収は1,020万円。47歳としては決して低くない給与です。
妻(45歳・仮名)と高校生の長男、中学生の次男との4人暮らし。6年前、頭金を入れて6,800万円のマンションを購入しました。住宅ローンは残り約4,700万円で、毎月の返済額は約12万円です。
「年収1,000万円超というと、もっと生活に余裕があると思っていました。でも、実際はそうではないんですね」
長男の大学進学を控え、塾代や受験費用もかかります。食費や光熱費などを含めた生活費は月32万円前後。毎月の支出は住宅関連費を含めて50万円を超えていました。達也さん自身の小遣いは月4万円。
問題は、お金だけではありませんでした。管理職になってから、帰宅時間が遅くなりました。朝は7時前に家を出て、帰宅は午後10時を過ぎることが増えました。部下の相談、取引先からの連絡、会議資料の確認。部下が帰ったあとに、自分の仕事を始める日も珍しくありません。休日もクライアントが休みとは限らず、スマートフォンには仕事の連絡が入ります。
「管理職だから仕方がない。そう思っていました」
厚生労働省『令和7(2025)年 労働安全衛生調査(実態調査)』によると、仕事や職業生活について「強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある」と答えた労働者は67.5%に達しています。
その具体的な内容(主なもの3つ以内)をみると、「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で同率最多となっており、次いで「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が32.9%、「仕事の質」が30.7%と続きます。
特に、正社員に限定してその内訳をみると、不安やストレスを感じている割合は69.1%と全体平均よりさらに高くなります。その内容でも「仕事の量」が43.7%で最も多く、「仕事の失敗、責任の発生等」が41.2%とそれに次ぐ高い水準となっています。
山積する業務量(仕事の量)に忙殺されながら、自分が倒れたら現場が回らなくなるという重いプレッシャー(仕事の失敗、責任の発生等)を一人で抱え込んでいた達也さん。彼が置かれていた過酷な状況は、決して特殊なものではありません。