(※写真はイメージです/PIXTA)
500万円超が“消えた”…半年ぶりの記帳で気づいた「異変」
マサオさんが異変に気がついたのは、ギャンブルにのめり込んでから半年ほど経ったときのことです。
銀行に立ち寄り、せっかくだからとATMで通帳を記帳してみると、印字された残高を見てマサオさんは思わず息を呑みました。この半年の間に、預貯金から500万円以上が消え去っていたのです。
衝撃を受けたマサオさんでしたが、すぐにギャンブルをやめることはできませんでした。「失った分を取り戻さなければ」と焦りが生まれ、より大きな金額を賭ける悪循環に陥ってしまったのです。
「孤独を紛らわすために始めたはずなのに、結局は自分をさらに追い詰めてしまったんです。退屈と寂しさの埋め方を間違えてしまいました」
厚生労働省の「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査(令和5年度)」によると、ギャンブル等依存が疑われる人が過去1年間で最もお金を使ったギャンブルは「パチンコ(46.5%)」が最多で、「パチスロ(23.3%)」「競馬(9.3%)」と続いています。また、ギャンブル等依存が疑われる人は、そうでない人に比べて有意に抑うつや不安が強いこともわかっています。孤独を癒すための気晴らしが、逆に心を蝕んでしまったのです。
現在、マサオさんは地域の相談窓口に足を運び、ギャンブル依存からの脱却を図っています。それと同時に、生活のリズムを立て直すため、週に2回、地域のボランティア活動に参加し始めました。ボランティアを通じて地域の人々と関わる時間が増えたことで、ギャンブルに向かっていた意識が自然と外の世界へ向き始めたといいます。
「人と関わることで、自分もまだ誰かの役に立てるんだと実感できました。お金を使うこと以外で、ようやく孤独を埋められる場所を見つけられた気がします」
老後の生活は、ただお金があれば幸せになれるというわけではありません。豊富な時間とお金の余裕があるからこそ、それをどう使い、どう社会と関わっていくかが問われます。マサオさんのように、失いかけた日常を取り戻すための鍵は、案外「人とのあたたかなつながり」のなかにあるのかもしれません。
[参考資料]
・内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和6年)」
・内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」
・厚生労働省「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査(令和5年度)」
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