厚生労働省『2024年 国民生活基礎調査』によると、高齢者世帯の平均所得は314万8,000円ですが、公的年金・恩給のみで生活する世帯は全体の約4割に上ります。物価上昇が続くなか、年金だけで暮らす高齢者の家計は厳しさを増しています。今回は、生活費の不足に悩み、行政へ相談に訪れた70歳女性の事例を通じ、その実態をみていきます。
〈年金月7万円〉〈貯金50万円〉70歳女性が役所に「生活保護」の相談…窓口で告げられた「まだ大丈夫ですよ」に絶望 (※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金「少し残っている人」が抱える問題

和子さんは、その後も生活費を切り詰めています。以前は週に1度購入していた魚を減らし、冷暖房の使用時間も短くしました。病院へ行く回数も、本当に必要な時だけにしています。

 

「節約できるところは全部やりました。でも、年を取るほど節約にも限界があります」

 

高齢になると、若い世代のように収入を増やすことは簡単ではありません。働きたくても体力的な問題があります。持病を抱える人もいます。住居費や医療費など、削れない支出もあります。

 

「貯金はまだあっても、減っていくスピードが速くなっていて……怖いんです」

 

もちろん、貯蓄が完全に底をつく前にできる対策があります。生活保護の要件を満たさない段階であっても、市区町村の「生活困窮者自立支援窓口」に相談すれば、家計改善の具体的なアドバイスや、条件次第で家賃補助が受けられる制度などを紹介してくれることもあるでしょう。また、地域包括支援センターや社会福祉協議会でも、利用できる福祉サービスや福祉資金の貸付制度を案内してくれるケースがあります。

 

大切なのは、まずは福祉の総合窓口へ足を運ぶなど、一人で抱え込まずに相談することです。