内閣府の「令和7年 満足度・生活の質に関する調査報告書」によれば、人生の充実度において「交友関係」や「日々の楽しさ」がもたらす影響度は、「家計と資産」と同等かそれ以上に高いことが示されています。本記事では、将来のFIRE(経済的自立)を夢見て手取りの半分以上を新NISAにつぎ込み、一切の交際費を断ち切った結果、孤独に陥ってしまった実家暮らし・24歳男性の事例を紹介します。
無意味なのでは…?手取り22万円・実家暮らし24歳男性、新NISAで「月15万円」の積立投資。〈鳴らないLINE〉を見つめ、“孤独な”資産形成に疑問を抱いた瞬間 (※写真はイメージです/PIXTA)

交際費を減らし、資産を増やした「代償」

そのなかでも、リュウマさんがシビアに削ったのが、「交際費」でした。休日の遊びの誘いや、仕事終わりの飲み会も、「金欠だから」「資格の勉強があるから」と理由をつけては断り続けました。最初は「たまには付き合えよ」と笑ってくれていた同僚や大学時代の同期たちも、しだいに声をかけてこなくなったといいます。

 

休日はずっと自室に引きこもり、誰とも会わない息子の様子に、両親からも「たまには外に出かけたら? 周りの人とはうまくやれてるの?」と心配されるようになってしまいました。

 

気がつけば誰からも連絡が来なくなり、LINEを開くことはほとんどなくなりました。たまに開いても、新着通知のないトーク画面を見つめるばかりです。

 

仮に数十年後、目標どおりに数千万円の資産を築けたとしても、そのときに一緒にいてくれる人がいなかったらいまやっていることは無意味なのではないか。ふとそんな考えが、リュウマさんの頭をよぎります。

 

それでもリュウマさんにとって、積立額を下げることは「FIREへの道を遠ざけること」と同義です。証券口座の画面で毎月増えていく資産を心の支えに、リュウマさんは今日も節約生活を続けています。

 

[参考資料]

金融庁「NISAの利用状況の推移(令和7年12月末時点・速報値)」

内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書(令和7年)」