住宅価格の高騰が続くなか、夫婦の収入を合算して高額な融資を受ける「ペアローン」のリスクを警告する声は少なくありません。しかし、この仕組みは組み方と事前のリスクヘッジ次第で、単独ローンにはないメリットを受けられることもあります。ある夫婦の事例から、今どきのマイホーム戦略をみていきましょう。
ペアローンにして本当によかった…〈年収800万円〉39歳夫、周囲の反対を押し切り「1億円のタワマン購入」が正解だった納得のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

統計が示すペアローンの実態と、賢い選択肢

住宅金融支援機構『住宅ローン利用者の実態調査(2025年調査)』によると、住宅ローン利用者のうち「ペアローン」を利用している世帯は全体の24.1%に上ります。これを年代別に見ると、一ノ瀬さん夫婦と同世代である30代では30.9%、20代では35.3%と、若い世代ほど積極的にペアローンを活用している実態が浮かび上がります。

 

さらに注目すべきは、住宅ローン(フラット35以外)を選んだ理由として、「団体信用生命保険の保障内容」を挙げた人が17.8%に上り、金利の低さに次ぐ2番目の決め手となっている点です。「ペアローン・収入合算を利用できた」(12.1%)こと以上に、多くの人が「万が一の際の保障」を重視してローン商品を選んでいることがわかります。

 

一ノ瀬さん夫婦の事例は、まさにこの統計が示す「賢いペアローンの活用法」を体現しているといえるでしょう。単に「共働きだから借入額を増やせる」という攻めの理由だけでなく、「夫婦それぞれが手厚い団信に加入でき、リスクを分散できる」という守りのメリットを最大限に生かした形です。

 

一方で、ペアローンには「初期費用が単独ローンよりも多くかかる」「離婚時のローン解消・手続きが非常に複雑」「団信が適用されない収入減へのリスク」といったデメリットもあります。

 

ペアローンを選択する際は、一ノ瀬さんのように団信の保障内容を重視しつつも、「病気や死亡以外の理由で収入が下がった場合」や「将来のライフプランの変更」といったデメリット・リスク面も考慮し、余裕を持った返済計画を立てることが重要です。

 

現在、真由美さんの体調は回復傾向にありますが、無理な再就職はせず、家事と育児に専念しているとのこと。

 

「現在の物件の査定額は約1億6,000万円まで値上がりしています。ペアローンを利用して資産価値のあるマンションを買えたことは、今になってみれば、本当に良かったと思っています」