夫婦といっても、現役時代は仕事や子育てに追われ、実際に顔を合わせる時間はそれほど多くないものです。しかし、リタイア後は状況が一変。子どもが巣立ち、夫婦2人だけの時間が一気に増えることで、これまで見えなかった不満や価値観のズレが表面化することも少なくありません。よく聞かれるのは、妻が夫に耐えられなくなるケースですが、もちろん逆もあります。今回ご紹介するのは、妻からの“ありえない扱い”に限界を感じ、「もう離婚しかない」と決意した男性の事例。しかし、ある事実を知った瞬間、彼の態度は一変したのです。老後の夫婦関係に何が起きていたのか? FPの青山創星氏が詳しく解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「離婚してくれ。お前とは、もう暮らせない」…妻の小言と“上から目線”に耐えかねた71歳夫。〈投資資産3,000万円〉で自由に生きるはずが…「やっぱり別れません」手のひらを返したワケ【FPの助言】
退職後に積もった不満、決定的な一言で限界突破
「離婚してくれ。お前とは、もう暮らせない」
71歳の田中正雄さん(仮名)は、ある日の朝食の席で、10歳年下の妻・恵子さん(仮名)に告げました。40年連れ添った妻への、突然の離婚宣言でした。
65歳で定年退職してから早6年。年金と退職金で、経済的には不自由のない生活を送ってきた田中さん夫婦。しかし、「ゴミの出し方が違う」「なんでそんな服を」「また怠けてる」「散歩、どこに行くの? 報告して」……。一緒にいる時間が増え、日々繰り返される妻の小言と上から目線。夫の正雄さんは静かに不満を募らせてきました。
「40年も家族のために働いた俺が、なぜ家で肩身の狭い思いをしないといけないんだ」
そんな正雄さんの不満が、ついに沸点に達したのは半年前。
「正雄さんね、退職してから本当にお荷物なのよ。一日中ゴロゴロして、早くどこかへ行ってくれないかしらって、毎日思ってるの」
親族一同が集う孫の誕生日会。場は凍りつき、息子たちも苦笑い。恵子さんはお酒を飲んで酔っていましたが、笑いながら言い放ったこの一言が、正雄さんにとっての決定打となりました。
「孫の前で俺を笑い者にするのか」
その夜から、正雄さんの中で「離婚」の二文字が消えなくなりました。