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「自分は市場価値が高い」という誤算
都内メーカーで管理職を務めていた佐藤修さん(57歳・仮名)。早期退職制度を利用して会社を去る決断をしました。
「今の会社に居続けてもモチベーションを維持するのは難しい。それならば、これまでのマネジメント経験を活かして、新しいステージで挑戦したいと考えたのです」と、当時の心境を振り返ります。
佐藤さんは、都内有名私大を卒業後、一貫して今の会社でキャリアを積んできました。プロジェクトリーダーとしてチームを牽引し、社内表彰を受けたこともあります。当時の年収は900万円。「他の会社でも、自分は活躍できる」と自信をもっていたといいます。しかし、退職後に踏み出したセカンドステージへの道は、想像を絶するものでした。
転職エージェントに登録し、「経営コンサルタント」や「相談役」といった希望条件に近い求人に応募した佐藤さん。しかし、書類がひとつも通過しない日々が続きました。
「おかしい、書類が通らないなんて……」
焦りを覚えてからは、条件に合うなら片っ端から応募。しかし、待っていたのは無情な現実でした。
「2カ月で150社に応募しましたが、面接に呼ばれたのはゼロ。メールボックスには『誠に残念ながら、今回はご希望に添いかねる結果となりました』という、いわゆるお祈りメールが毎日届きました。自分の30年以上のキャリアが、全否定されているような感覚でした」
佐藤さんの不採用の要因は、年齢だけではありません。大手1社だけに最適化された業務経験は汎用性に乏しく、即戦力を求める企業には合致していなかったのです。それでも3カ月間で200社を超える企業に応募し、そのうち3社で書類選考を通過。しかし、その3件の面接でも「わが社の文化には合わない」と断られたといいます。