(※写真はイメージです/PIXTA)
統計から考える「ペアローン」の脆弱性
総務省『労働力調査』によると、2024年の共働き世帯は約1,300万世帯にのぼり、専業主婦世帯(約508万世帯)の約2.5倍に達しています。多くの家庭が「二馬力」を前提に家計を設計していますが、その前提条件は驚くほど脆いものです。
厚生労働省『令和5年 患者調査』によれば、精神疾患の患者数は約614.8万人と過去最多水準を更新。また同省『令和4年 労働安全衛生調査(実態調査)』によると、メンタルヘルス不調により、連続して1ヵ月以上休業した従業員がいる企業は全体の10.6%、退職した従業員がいた企業は5.9%に及びます。またメンタルヘルス不調で休業した社員(常用労働者)の割合は0.6%、退職したのは0.2%となっています。
割合で見るとレアケースに思えますが、人数に換算すれば500人に1人がメンタルヘルス不調で会社を辞めている計算になります。これは決して他人事ではありません。特に40代前後の働き盛り世代において、就業不能リスクは無視できない要素です。
住宅ローンを組む際、多くの人が団体信用生命保険(団信)に加入しますが、これはあくまで死亡や高度障害をカバーする仕組みです。メンタルヘルス不調による長期休職で収入が途絶える事態に対応できる団信は、極めて限定的といえます。
ペアローンという選択は、夫婦双方が35年間にわたり健康で働き続けるという「完璧な未来」への賭けでもあります。不動産会社は「借りられる額」を提示しますが、それが「返せる額」である保証はどこにもありません。予期せぬ疾病による収入減に備えるには、公的な傷病手当金に加え、民間の就業不能保険への加入も検討すべきでしょう。「自分たちだけは大丈夫」という根拠のない過信こそが、家族を路頭に迷わせる最大の要因となるのです。
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