「相続」は、時に予期せぬリスクを子世代へともたらします。プラスの財産だけを受け継いだつもりでも、後から発覚する「負債」が平穏な生活を一変させてしまうことも少なくありません。手取り22万円で暮らす51歳の男性が直面した過酷な現実から、私たちが備えておくべき相続の注意点と生活再建への道筋を考えます。
ロレックスを売っても足りない…〈手取り月22万円〉51歳男性、父の死後に「保証人請求」で生活崩壊。自己破産が頭をかすめる現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

なぜ生活は崩れてしまったのか

月22万円の収入は、そのほとんどが生活費に消えていく状況です。そのなかから、残りの負債を完済するのは非常に困難なのが実情です。

 

「自己破産したほうが楽なのか……。いまだに決断できずにいます」

 

裁判所『令和6年 司法統計年報(民事・行政編)』によると、年間の自己破産件数(自然人)は7万6,309件に上ります。また日本弁護士会『2023年破産事件及び個人再生事件記録調査』によると、破産理由(多重債務に陥った理由)のトップは「生活苦・低所得」で65.86%。次いで「病気・医療費」(26.44%)、「失業・転職」(17.36%)、「負債の返済(保証以外)」(14.92%)、「事業資金」(12.73%)、「給料の減少」(11.44%)と続きます。

 

今回の松本さんのケースのような「保証債務」による自己破産は、全体の7.38%。割合としては決して多くありませんが、生活を一変させてしまうという点では、非常に警戒すべきケースです。この「保証債務」は決して特殊なものではありません。家族がどのような契約を結んでいるのか把握していなければ、誰にでも起こり得るリスクです。

 

特に相続の場面では注意が必要です。財産だけでなく債務も引き継ぐという原則は広く知られている一方で、保証契約のように“表面化しにくい負担”は見落とされやすいと指摘されています。

 

こうした状況で、最終的な選択肢として浮上するのが生活保護です。ただ実際には「まだそこまでではない」「利用に抵抗がある」といった理由から、申請に至らないケースも少なくありません。松本さんも次のように話します。

 

「制度として存在するのはわかっています。でも、自分がそこに頼る姿は想像したくないんです」

 

相続においては、預金や不動産だけで判断せず、借入や保証契約の有無まで確認することが重要です。判断に迷う場合は、相続放棄などの手続きを期限内に検討しなければなりません。すでに相続後に問題が発覚した場合は、早い段階で弁護士などの専門家に相談し、自己破産を含めた対応を現実的に検討することが、生活再建への近道となります。

 

 

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