(※写真はイメージです/PIXTA)
価値観のズレが招く「負動産」化と相続放棄の現実
総務省『令和5年住宅・土地統計調査』によると、全国の空き家数は約900万戸に達し、総住宅数に占める割合は13.8%と過去最高を更新しました。このうち、賃貸・売却用や二次的住宅を除いた、将来的な活用が見込まれにくい「その他の住宅」は385万戸に上り、全空き家の4割以上を占めています。
同調査では、こうした空き家の取得経緯について「相続」が主要な要因のひとつだと報告されており、居住実態のない遠隔地の家屋を引き継ぐことが、空き家増加の背景にある実態が浮き彫りになっています。
さらに、不動産を所有することのリスクを避け、権利そのものを手放す動きも急増しています。
最高裁判所『司法統計(令和6年度)』によると、相続放棄の受理件数は全国で30万8,753件に達しました。20年前の2003年時点では約12万6,000件であったことと比較すると、20年間で2倍以上に増加している計算になります。
これは、親世代が信じていた「土地や家屋は確実な資産である」という価値観が崩壊し、子世代にとっては維持管理コストや処分費用の負担が資産価値を上回る、「負動産」と認識されていることを示唆しています。
萩本さんが吐露した「手放すにも持ち出しが必要で、持ち続ければ資金が削られていく」という状況は、現在の日本における相続が抱える根深い矛盾を象徴しています。
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