念願の地方移住。良いことがあれば、もちろん悪いこともあります。思わぬ事態に頭を抱えてしまうこともあるでしょう。人気観光地に移住したというある夫婦のケースから、移住者が直面する想定外の事態についてみていきます。
図々しいにも程がある…「5,500万円」で夢の地方移住を果たした48歳妻の悲鳴。毎年やってくる「夫の友人夫婦」に限界 (※写真はイメージです/PIXTA)

「連休が来るのが怖い」…友人夫婦への複雑な胸中

長野県の観光地に居を構える佐藤美咲さん(48歳・仮名)。5年前、夫の康夫さん(52歳・仮名)の転職に伴い、都内からこの街へ移り住みました。5,500万円を投じて購入したのは、築浅の中古一軒家。都内でマイホームを持つことを諦めかけた夫婦にとって破格の金額であり、康夫さんの定年までに余裕でローンを完済できると上機嫌でした。しかし大型連休を前に、現在は強い憂鬱を感じているといいます。

 

その原因は、夫の大学時代からの友人夫婦の存在です。移住した最初の年に「お祝いを兼ねて遊びに行きたい」と言われ、美咲さんは一度きりのつもりで快く受け入れました。しかし、それがいつの間にか恒例行事のようになってしまったのです。

 

「最初は、遠いところからわざわざ来てくれるのだから、精一杯もてなそうと思いました。地元の食材を買い込み、バーベキューの用意をして、不慣れな客用布団を準備して――数日間つきっきりで食事の支度をしました」

 

しかし、2年、3年と続くうちに、美咲さんは関係性の不公平さに気づきました。

 

「私たちが用事で上京する際は、必ず1泊2万円ほど出して自分たちでホテルを予約して泊まります。彼らから『うちに泊まりなよ』と声をかけられたことは一度もありません。もちろん、泊まりたくもないのですが……せめて誠意くらいは見せてほしいものです」

 

康夫さんに疑問を呈したことはあるものの、反応は芳しくありません。

 

「主人はお酒が好きで、人を呼ぶのも好きな性格です。自分が動くわけではないので、『せっかく来てくれるんだから、固いこと言うなよ』『美咲は冷たいな』と言われて終わりです」

 

今年もゴールデンウィーク(GW)を前に、再び田中さん夫婦から「今年も行きたい」と連絡が入りました。

 

「相手は悪気がないどころか、毎年来ることを楽しみにしている様子です。彼らにとって、わが家は無料で泊まれる便利なホテルのような認識なのでしょう。布団のシーツを洗い、数日分の献立を考え、買い出しに行く。その労力と、滞在ごとに数万円単位で飛んでいく出費はこちら持ち。それに対して『ありがとう』だけですよ。本当、図々しいにも程がある」

 

さらに、毎年の恒例ではないにしろ、田中さん夫婦のように泊まっていく康夫さんの友人は多いのだとか。

 

「主人が観光地に移住したことを、自慢げに言いふらすから……そりゃ友達が遊びに来たら、『うちに泊まっていけよ』となりますよね。夫が接待するならいいですが、ほとんど何もしない。もう、誰かをご招待するときは、わざと出かけてやろうかと思っています」