(※写真はイメージです/PIXTA)
親との同居が招く「家庭の密室化」
内閣府『令和6年版高齢社会白書』によれば、65歳以上の高齢者がいる世帯のうち「親と未婚の子」のみで構成される世帯の割合は、1980年には10.1%でしたが、2020年には20.5%と、この40年で約2倍に増加しました。
この背景には「未婚率の上昇」「晩婚化」「親と同居する中高年単身者の増加」、つまり、いわゆる「8050問題」につながる構造的変化があります。
高橋さん親子のケースでは、直樹さんは経済的に自立しており、親の年金や資産に依存して生活しているわけではありません。しかし、家族間の距離が物理的・心理的に近くなりすぎることで、外部からの支援や介入を阻む「家庭の密室化」を招きやすいというリスクは、共通して内包しているといえるでしょう。
厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、介護者のうち「ストレスあり」と回答したのは全体の69.2%にのぼります。その原因を尋ねると、トップは「家族との関係」で、5人に1人がこれを理由に挙げています。家庭の密室化が進むなかで、同じ屋根の下に暮らす家族にストレスを感じ続ける……その先に待っているのは、悲劇的な結末かもしれません。
「今さら、高齢の母を置いて実家を出ようとは思いません。ただ今までのように、母を優先することはやめました。精神的にもしっかりと自立しようと思っています」
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