(※写真はイメージです/PIXTA)
「想定外の長寿」が家計を破綻させる
老後の資金計画を立てる際、平均寿命をひとつの区切りにする人は多いでしょう。厚生労働省『令和6年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳ですが、これはあくまで平均値に過ぎません。
同資料の生存数分布を確認すると、80歳男性が90歳まで生存する確率はおよそ30%から35%前後(約3人に1人)、95歳まで生存する確率は約10%から15%程度と推定されます。「平均まで生きれば十分だ」という予測は、統計学的に見れば4人に1人が直面する「想定外の長寿」によって容易に崩れ去るのです。
また内閣府『高齢社会白書』における高齢者世帯の経済状況を見ると、パートナーを亡くし単身となることで、1人当たりの固定費(住居費・光熱費など)の負担が増し、家計の余裕が減少する経済的課題が指摘されています。佐藤さんのように、月額19.5万円という平均以上の年金収入があっても、急な医療費や介護費、住宅の修繕費などへの対応は困難になります。
日本人は将来不安が強く、「死ぬときが一番金持ち」といわれがちです。しかし、それを避けようとする「死ぬまでに使い切る」というポリシーもまた、長寿社会においてはリスクとなり得ます。
「長生きリスク」にしっかりと対応できるよう、平均寿命ではなく100歳までの生存を前提とした「枯渇しない資産管理」が、これからの時代には不可欠な視点となります。
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