金融庁の調査によると、NISAの年間買付額は成長投資枠が約12.5兆円にのぼり、「最速で枠を埋める」意欲が過熱しています。一方で内閣府の調査では、39歳以下の約半数が「孤独」や「仲間の不在」を感じており、頼れる友人がいない人の7割が強いストレスを抱えている実態が浮き彫りになりました。本記事では、手取り23万円から年間150万円を新NISAに全振りし、親友の結婚式すら断ってしまった27歳女性の事例をもとに、行き過ぎた節約と投資が招く「後悔」を解説します。
スマホはバキバキ、ランチは手作りおにぎり2個…手取り23万円・27歳女性が「新NISA」に全振り。「立派だね。でも…」結婚式の招待を断った親友の〈まさかのひと言〉で涙したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

親友の〈まさかのひと言〉で崩壊した投資の正論

ミサキさんの結婚式から数週間後。「引き出物のお裾分けを渡したい。お茶代は私が出すから」という誘いに負け、ハルカさんは久しぶりにカフェへ足を運びました。

 

ミサキさんは、目の前に座るハルカさんの姿を見て絶句します。着古した服、そしてテーブルに置かれたバキバキのスマートフォン。

 

「ハルカ、何かあったの? そのスマホ……どうして直さないの?」

 

「ああ、これ? 修理代もったいないから。私、今新NISAの枠を埋めるのに必死でさ。将来の資産形成のほうが大事でしょ?」

 

どこか誇らしげに語るハルカさんを見て、ミサキさんは悲しそうに言葉を紡ぎました。

 

「立派だね。でも……その枠が埋まったとき、一緒に喜んでくれる人は隣にいる? ご祝儀をケチって友達との縁を切って、ボロボロのスマホの画面を一人で見つめるのが、ハルカの望んだ生活なの?」

 

ミサキさんのその言葉は、ハルカさんが築き上げてきた「投資の正論」を打ち砕きました。

 

自分は、未来の自分を幸せにするために、今の自分を犠牲にしていたのではないか。ご祝儀の3万円をケチって失ったのは、親友の晴れ姿を祝うという「一生に一度の経験」と、かけがえのない「人とのつながり」でした。

 

「私、何やってたんだろう……」と呟き、ハルカさんの目からは涙が溢れ出しました。

 

「結婚式来てくれなかったのは悲しかったけど、私はこんなことでハルカと縁は切らないよ。たまには息抜きで遊んでね」

 

将来の安心を得るために、今という貴重な時間を削りすぎていた。そのことに、ハルカさんはようやく気づいたのでした。

 

[参考資料]

金融庁「NISAの利用状況の推移(令和7年12月末時点・速報値)」

内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書(令和7年)」