内閣府の調査によると、現在の経済的な暮らし向きについて「心配である」と答える高齢者は約3割にのぼり、預貯金を取り崩して生活することが「ある」と答えた人は6割を超えます。老後資金の不足が叫ばれるなか、収入が多いからと過信して一度上げた生活レベルを下げられないまま、定年を迎えるケースがあとを絶ちません。本記事では、世帯年収1,800万円でありながらも、貯金がたった200万円しかない40代夫婦の事例をもとに、見栄が招く「老後破産」の恐ろしさを解説します。
タワマン暮らしで高級ディナーに海外旅行、SNSにアップされる「憧れの生活」…優越感に浸る〈世帯年収1,800万円〉40代夫婦の裏の顔。「不安しかない…」忍び寄る"老後破産"の足音 (※写真はイメージです/PIXTA)

SNS「いいね」が生きがい…〈世帯年収1,800万円〉夫婦の誰もが羨む生活の裏側

「クレカの請求額を見るたびに萎えます……。夫婦でこれだけ稼いでいるのに、貯金できる気がしません」

 

都内の外資系企業に勤めるリョウイチさん(仮名・48歳)の年収は約1,200万円、妻のユミさん(仮名・44歳)も正社員として働き年収600万円。世帯年収1,800万円を誇る、いわゆる「アッパーミドル層」です。

 

他人から見たら、羨ましがられるほど余裕のある生活。週末は予約困難なレストランで高級ディナー、長期休みにはハワイやヨーロッパへ海外旅行。その様子をSNSにアップするユミさん。リョウイチさんも、自分の愛車や高級時計、タワーマンションで暮らす姿をSNSに載せ、優越感に浸っています。

 

「SNSの投稿には、『素敵な夫婦ですね!』『憧れます!』といったコメントで溢れています。正直、周りからの賞賛が生きがいです」

 

しかし、夫婦の家計の裏側を見てみると、まさに「火の車」だったのです。

「退職金もタワマンのローンに消える」貯金200万円・高所得夫婦のリアル

「実際の暮らしでは、毎月ひたすら支払いに追われています……」

 

タワーマンションや車のローンに加え、今の生活を維持するための交際費や被服費を合わせると毎月50万円以上。世帯で月に手取り100万円近くあっても、支払いが終わると手元に残るのはわずかです。

 

「もうすぐ50歳ですよ? なのに貯金はたったの200万円。退職金なんてタワマンのローンに消えて終わりです。老後は不安しかありません……」

 

生活水準を落とせばいいだけの話ですが、一度上げた生活レベルを下げることは至難の業です。特に「SNSで充実した生活をアピールすること」で満たされると、今さら節約する気にはならないのが現状でした。

 

「このままじゃ絶対に老後破産するってわかってるのに、見栄を張るのをやめられないんです。実はお金に余裕がないなんて、誰にもいえません……」

 

[参考資料]

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」