(※写真はイメージです/PIXTA)
ゴールデンウィーク、夏休みが近づくと…
カレンダーをめくり、大型連休の赤い数字が目に入るたび、マサ子さん(70歳)は、喜びと溜息が入り混じった複雑な感情に襲われます。
「あと1週間もすれば、あの子たちがやってくる……」
地方の一戸建てで同い年の夫と2人、月々22万円の年金で慎ましく暮らすマサ子さん夫婦。貯蓄は1,800万円ほどありますが、物価高騰が続くいまの時代、家計にゆとりはありません。それにもかかわらず、遠方に住む娘夫婦と3人の孫、計5人の帰省にかかる費用と労力は、すべて老夫婦の肩に重くのしかかっています。
飛行機代20万円は親持ち
マサ子さんの娘夫婦が帰省してくるのは、年に2回、ゴールデンウィークと夏休みだけです。年末年始は「あちら(婿の実家)の顔も立てなきゃいけないから」と、婿の実家へ行くのが恒例になっています。
そのため、「せめてうちに来るときくらいは」という親心から、マサ子さん夫婦は毎回、娘たち5人分の往復航空券代を負担しています。
「3人の孫を連れての移動は大変だろうからと、つい手を出してしまいました。一回の帰省で飛行機が高い時期なので、20万〜30万円は飛んでいきます。年2回で50万円以上。貯金が尽きるのが先か、孫たちが来なくなるのが先か……」
さらに滞在中の食費、外食代、レジャー費、帰る際に渡すお小遣い……。5月末の通帳の残高を見るのが、いまから恐ろしくてなりません。
溜まった食器を横目に、先に寝てしまう娘
出費もさることながら、70代の体には「5人の受け入れ」という肉体労働も堪えます。朝から晩まで孫たちの食事の準備と片付けに追われる毎日。
娘は「手伝うよ」と口では言いますが、食事が終わると流しまで食器を運んでくれる程度。そのまま「子どもたちと遊んでたら疲れちゃった」と、山積みの洗い物を残して孫と一緒に寝室へ消えてしまいます。
「娘にとっては、ここは唯一甘えられる場所なんでしょうね。でも、私ももう若くはありません。夜に一人で食器を洗っていると、『私は家政婦じゃないのよ』と、実の娘に対して黒い感情が湧いてくるのを止められないんです」
