「家族のために」と懸命に働く日々。しかし、ふと自分の“財布”を見つめたとき、そこに残る金額に愕然としたことはないでしょうか。年収720万円という平均的な収入がありながら、月々のお小遣いはわずか2万円。昼食代すらままならない46歳男性のケースから、家計管理の歪みについて考えていきます。
「私はただのATMですか?」年収720万円・46歳サラリーマンの絶望。〈お小遣い2万円〉〈昼はプロテインバー1本〉、かたや妻と娘は豪華ランチタイムの現実 (※写真はイメージです/PIXTA)

実質賃金の低迷と家計の課題

加藤さんのように、平均的な年収がありながら極端に少ないお小遣いで生活する背景には、シビアな夫婦関係と家計管理の実態があるようです。

 

明治安田生命保険相互会社「家計に関するアンケート調査(2025年)」によると、既婚男性のお小遣い平均額は33,071円。昨年からほぼ横ばいですが、物価上昇の影響で実質的な購買力は減少していると考えられます。平均を大きく下回る加藤さんの「1日約380円」という予算は、もはやランチを楽しむどころか、空腹を満たすことすら難しい金額といえるでしょう。

 

もちろん、家計を預かる妻側にも言い分はあるはずです。文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によれば、私立大学の初年度納付金は平均で150万7,647円。5年前と比較して15万円ほど高くなっており、学費の負担は年々重くなっています。加えて、厚生労働省「毎月勤労統計調査」が示す通り、物価上昇に賃金が追いつかない「実質賃金のマイナス」が続いています。額面が変わらなくても生活費が膨らむなか、家計の調整弁として真っ先に削られやすいのが「夫のお小遣い」という現実があります。

 

こうした状況で「お前たちだけでランチを楽しむなんて!」と感情をぶつけたとしても、「それくらい息抜きさせてよ!」と反論されるのが関の山です。状況を改善するには、かつてのような支出の追求ではなく、現在の収支と将来の必要資金を「数字」で共有することが求められます。金融庁の公式サイトなどで公開されている「ライフプランシミュレーション」等のツールを活用し、何にいくら必要なのかを夫婦で客観的に確認すること。それが、一方に負担が偏らない適切な予算配分を検討するきっかけとなるはずです。