少子高齢化や核家族化が進むなか、高齢者の「一人暮らし」はごく一般的なライフスタイルとなりました。しかし、住み慣れた自宅での自由な暮らしの裏には、急な体調不良や転倒の際に助けを呼べず、最悪のケースに至るリスクも無視できません。離れて暮らす親が元気なうちに、家族はどのような備えをしておくべきでしょうか。川淵ゆかり氏のもとに寄せられた相談事例から、高齢親の見守りサービスについて学びましょう。
「苦しい、助けて…」年金15万円・77歳母の喘ぎ声。朝4時、虫の知らせで飛び起き、駆け付けた息子が実家で味わった「不意打ちの別れ」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進む日本…国をあげて公的サービスが整いつつある

現在、国や自治体は、高齢者が重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるように、医療、介護、住まい、予防、生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。このシステムは、「自助」「互助」「共助」「公助」の4つの助け合いで支えられており、かかりつけ医や地域の連携病院、訪問診療のほか、訪問介護、通所介護、施設サービスなどが連携しています。配食サービス、買い物支援といった生活支援のサポートも対象です。

 

その拠点となるのが「地域包括支援センター」。介護保険法に基づき、すべての市町村に設置されている公的な相談窓口であり、全国に設置されています。保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員が配置されていて、総合相談支援をはじめ、地域全体のケアマネジメント支援といった役割を担っており、65歳以上の高齢者やその家族、高齢者支援に関わる人まで幅広く利用可能となっていますし、相談は無料なのでまずは相談してみましょう。

 

地域全体で見守るネットワークの活用

さらに、多くの市町村では「見守り支援ネットワーク事業」を実施しています。これは、民生委員や地域のボランティア、協力事業所(商店、事務所、医療機関など)、郵便局員や電気・ガス・水道の検針員、新聞配達員、宅配業者、ゴミ収集員などが日常業務のなかで高齢者の異変に気づいた際に、関係機関へ連絡する仕組み。いまは多くの自治体で導入されていますので、まずは相談してみてください。

 

今後、高齢者の一人暮らしはますます当たり前の社会となっていきます。親御さんが住み慣れた家で安全かつ快適に過ごせるよう、いざというときに利用できるサービスや公的な相談窓口を、いまのうちから調べて備えておきましょう。

 

〈参考〉

内閣府 令和6年版高齢社会白書より

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2024/html/zenbun/s1_1_3.html


内閣府 令和7年版高齢社会白書より

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/zenbun/07pdf_index.html

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表