少子高齢化や核家族化が進むなか、高齢者の「一人暮らし」はごく一般的なライフスタイルとなりました。しかし、住み慣れた自宅での自由な暮らしの裏には、急な体調不良や転倒の際に助けを呼べず、最悪のケースに至るリスクも無視できません。離れて暮らす親が元気なうちに、家族はどのような備えをしておくべきでしょうか。川淵ゆかり氏のもとに寄せられた相談事例から、高齢親の見守りサービスについて学びましょう。
「苦しい、助けて…」年金15万円・77歳母の喘ぎ声。朝4時、虫の知らせで飛び起き、駆け付けた息子が実家で味わった「不意打ちの別れ」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

増える「高齢者の一人暮らし」の実態

少子化や核家族化、高齢化などが相まって、一人暮らしの高齢者が増加傾向にあります。 以前は、地域の近所付き合いなども活発に行われていましたが、最近ではこうしたつながりや、家族関係ですら希薄なケースが増えており、孤独死の数も増加傾向にあるのが現状です。

 

内閣府の令和6年の高齢社会白書をみると、65歳以上の一人暮らしは男女ともに増加傾向にあることがわかります。昭和55年には、65歳以上の人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%でしたが、令和2年には男性15.0%、女性22.1%にまで拡大しました。24年後の令和32年には男性26.1%、女性29.3%となると見込まれています。

 

また、令和7年の高齢社会白書のデータでは、一人暮らしの高齢者数は令和2年には男性約231万人、女性約441万人となっており、令和22年には男性約356万人、女性約540万人までと20年で急増することも予測されています。世帯数としては、65歳以上のいる世帯のうちの半数以上を、夫婦での二人暮らし(8,635世帯)か一人暮らし(8,553世帯)が占めているようです。

離れて暮らす親を守る、官民の「見守りサービス」

Aさんのように、離れて暮らす親御さんがいる家庭では、万が一の事態を防ぐためにも、行政や民間企業が提供する見守りサービスを利用するのがいいでしょう。近年は物価高や人手不足の影響で、高齢者施設の入居費用も上昇傾向にあり、自宅での生活を希望する高齢者はさらに増えると予想されます。親が元気なうちから、「どこでどう暮らすか」を話し合い、老後の資金計画とともに見守りの仕組みを整えておくことが欠かせません。

 

一人暮らしの高齢者の見守りサービスには、行政や民間企業が提供するさまざまな種類があります。これらのサービスは、安否確認や緊急時の対応、孤独感の軽減にも役立ちます。見守りサービスを選ぶ際は、高齢者本人が嫌がるケースもあるため、本人の意向を尊重し、早いうちに、どんな見守りが必要か話し合っておくことが大切です。主なサービスは、以下の4つの種類にわけられます。

 

1.訪問型見守り

民生委員やヘルパーが定期的に訪問

郵便局員や地域のボランティアが安否確認

配食サービスを利用する際に、配達員が安否確認

 

2.センサー・カメラ型見守り

自宅に設置したセンサーで動きを監視

一定時間動きがない場合に通知

カメラで様子を確認できるサービス

 

3.アプリ型見守り

スマートフォンの無充電状態やメッセージへの返答で安否確認

利用履歴の通知機能

家族の位置情報の共有アプリ

 

4.駆けつけサービス付き見守り

ホームセキュリティ会社が異常時に現場へ急行

24時間365日体制で対応

 

サービスによって差があるなか、利用料金は月額数百円から始められるものから、初期費用が大きかったり、月額料金が数千円かかったりするものまでさまざまです。高齢者の一人暮らしはいつまで続くかは予測ができないことなので、無理のない範囲で選ぶようにしましょう。