(※写真はイメージです/PIXTA)
役職定年、住宅ローン、働かない次男
55歳のAさんは、パート勤めの3歳年下の妻と、24歳の次男との三人で郊外の戸建て住宅に住んでいます。都内で一人暮らしをする26歳の長男はコンサル企業に勤務。一見、順風満帆にみえる家族ですが、Aさんの胸中は穏やかではありません。
10年ほど残っている住宅ローンに加え、最近役職定年を迎えて収入が激減。年収は1,300万円から800万円に減りました。息子は二人とも理系の有名私立大学を卒業させ、住宅ローンの返済も重なって出費が続いていたため、ようやく子が手を離れ、「さぁ、これからしっかりと老後資金を作ろうか」と意気込んでいた矢先の収入ダウンでした。そんなAさんの頭をさらに悩ましているのは、次男の存在です。
昨年、大学を卒業し、大手総合商社に勤めはじめたのですが、半年程度で突然退職。その後も建設業の企業に3ヵ月ほど勤めましたが、こちらも辞めてしまい、いまは家でブラブラしています。妻が心配して問いただしても「次の仕事は探しているから心配しないでよ」とはぐらかすばかり。
そんなある日、次男が突然、とんでもないことを言い出しました。
「アメリカのシアトルでしばらく語学留学したいから400万円ほど貸してもらえないかな?」
これに両親は激怒。役職定年で収入が大幅に下がってしまい、老後に不安を感じる両親にとって400万円は“老後の命綱”でもあります。「おとなしくて勉強熱心で、何事にも努力を惜しまない子だったのに、一体どうしてしまったんだ」と父親は頭を抱えました。
「長男は新卒で勤めた会社で真面目に勤め続けているのに。そういえば、隣の部署の若手も2~3ヵ月ですぐに辞めたのがいたな。そいつも優秀だって期待されていたんだよ。本当にいまの若い奴はワガママなんだよ!」ついには妻に当たり散らす始末。さっぱりわけのわからない両親は、長男に「次男の話を聞いてやってほしい」と頼み込みました。