(※写真はイメージです/PIXTA)
65歳の元同期3人が語る「老後のリアル」
ショットバーで今年65歳になった元同期の3人が久しぶりに集まって飲んでいます。彼らは60歳で定年退職したあと、それぞれまったく違う道を進みました。
・Aさん:「これからはのんびり生きよう」そう決意し、退職後は働かず、家で孫の相手をしながら毎日ブラブラしています。
・Bさん:再雇用制度を利用して引き続き同じ会社で働いていました。
・Cさん:長年の経理の経験や実績を活かして、コンサルタントとして独立しました。
3人は同期入社で、勤務する部署はそれぞれ違いました。しかし、同じホワイトカラー職として勤め上げ、59歳のときに届いた“ねんきん定期便”の受給見込み額は、3人ともほとんど同じ月16万円程度だったのです。
同期間の老後格差…それぞれの道を歩んだ3人の現状
A:「Bはまだ働いてるの? 若い奴らの指示で動くなんて腹立たないの?」
B:「3月で終わったよ。もう65歳だからね。Aはいいよな。“髪結いの亭主”だもんな。こっちは我慢してでも働かないと生活できなかったよ。女房は体が弱くて働けなかったから基礎年金だけだしね。よかったのは勤務時間短縮で遅い出勤だったから、満員電車に悩まされないことくらいだよ」
A:「だけど、うちの理髪店もそろそろ危ないよ。最近の物価高で昔からのお客はセルフカットやほかの安い店に流れちゃって。新規のお客もとれないから奥さんがいつもイライラしてるんだ。『あなたはいいわね。毎日遊んでいて!』って嫌味ばっかりいわれるよ。Cはいいよな。稼いでるんだろ」
C:「僕は経理畑が長かったのがよかったね。銀行とも知り合いができたし、在職中から独立を目指して準備していたから」
3人は“隣の芝生は青く見える”で、それぞれ相手の状況を羨ましがっていますが、現実はそう甘くないようです。
A:「いいなぁ。うちはこれまで貯金切り崩して生きてきたからな。やっと今年から年金がもらえるよ。うちの奥さんも少しは優しくしてくれるかなぁ……」
B:「あの程度の年金じゃダメだろ。孫に小遣いやるのもためらうよ。再雇用でなんとか5年間働けたのはいいけど、65歳で新しい勤め先探すのは厳しいよ。ホワイトカラーはさすがにもう無理だろうなぁ」
A:「まだ働くつもりなの? もう隠居すればいいじゃないか。5年も働いたんだから年金も貯金も増えただろ」
B:「バカいえよ。勤務時間短縮の再雇用だぜ。収入なんか半分だよ。給付金までもらってたんだぜ(※1)。あ~ぁ、俺もなにか資格でも取っとけばなぁ。それに、5年も働いたのに年金は月に1万円も増えないんだよ。やっぱりCはいいよなぁ」
※1 高年齢雇用継続給付金:定年後の再雇用で給与が減額された場合に受け取れる給付金です。60歳時点の給与と比較して再雇用後の給与が75%未満に低下した場合に、その低下率に応じて給与の一部を補填するものです。
C:「とんでもないよ。大学時代の友達が会計士でさ。そこから紹介をもらってるけど、最近はなにかとITやらAIやらだろ。話についていけなくて。その友達の部下の若い奴に頭を下げながら最近のアプリの使い方とか教えてもらってるくらいさ。クライアントの要求も年々厳しくなってくるしね。Bも仕事探すなら覚悟しておいたほうがいいよ」