「共働きで高収入だから大丈夫」という安心感が、思わぬ墓穴を掘ることがあります。たとえば教育費。未来への投資だからと優先させ、どんぶり勘定でいた結果、想像以上のインパクトに撃沈……。とある40代男性のケースを見ていきます。
世帯年収1,200万円・順風満帆だった48歳父の大誤算。「貯金の3分の1」を失った教育費の破壊力に「何かの間違いでは?」 (※写真はイメージです/PIXTA)

加速する教育費負担と「物価高」の衝撃……親たちが直面する真実

加藤さんのように、高収入ゆえの「なんとかなる」という感覚が通用しなくなっているのが現代のリアルです。ソニー生命保険株式会社『子どもの教育資金に関する調査2025』から、令和の親たちが置かれている厳しい状況を紐解いてみましょう。

 

同調査によると、子どもが小学生から社会人になるまでに必要と予想される教育資金の平均額は1,489万円。2021年の1,266万円から4年連続で上昇し、調査開始以来の最高額を更新しました。特に大学等の学費については、高校生以下の親の85.4%が「高すぎる」と感じており、もはや「高所得だから安心」と言える時代ではありません。

 

さらに、教育資金に不安を感じる理由の第1位は「物価の上昇(55.5%)」。昨今の天井の見えないインフレが、家計をじわじわと侵食しています。

 

また調査では、教育資金の積立をしていない理由として「経済的な余裕がない(29.1%)」に次いで、「積立に関する情報・知識が足りない(25.1%)」が挙がりました。日々の生活に追われる共働き世帯ほど、将来の「支出のピーク」を可視化できていない傾向にあると推察されます。

 

教育費は、親の愛情ゆえに際限なく注ぎ込んでしまいがちな支出です。しかし、加藤さんのように「大きな山」が重なった際に慌てないためには、早めの準備が欠かせません。

 

今回の調査でも、教育資金の準備方法として銀行預金(54.3%)や学資保険(38.4%)に加え、NISAなどの「資産運用(24.1%)」を活用する世帯が増えています。インフレで現金の価値が目減りするなか、貯めるだけでなく「増やす」視点を持つことが、家計の回復力を高める鍵となります。

 

たとえば「うちは大丈夫」という思い込みを一度捨て、子どもが20歳になるまでのマネープランを1枚の表にまとめてみる。その一歩が、将来の「教育費破綻」を防ぐ大きな備えになるかもしれません。

 

[参考資料]

ソニー生命保険株式会社『子どもの教育資金に関する調査2025』