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浮き彫りになる「中間層の消滅」と負担増の正体
こうした「中流の悲鳴」は、統計データにも明確に現れています。先日発表された総務省統計局『家計調査 家計収支編 2025年平均』によると、勤労世帯における平均的な家計収支は以下の通りです。
【勤労世帯における平均的な家計支出】
■実収入:653,901円
■可処分所得:532,408円
■消費支出:346,297円
(内訳)
・食料:93,789円
・住居:20,169円
・光熱・水道:24,182円
・家具・家事用品:13,850円
・被服及び履物:11,965円
・保健医療:14,574円
・交通・通信:56,917円
・教育:18,601円
・教養娯楽:34,058円
・その他の消費支出:58,192円
統計上の黒字額は約18万円となりますが、これは住宅ローンの有無や居住地域、子どもの有無などが混ざり合った平均値です。実際に月20万円弱の余力を残せている世帯は、決して多くはないでしょう。
事実、厚生労働省の『令和6年 国民生活基礎調査』では、児童のいる世帯の64.3%が「生活が苦しい」と回答しています。子育て世帯の5世帯に3世帯が、家計に余裕がないと感じているのが日本の現状です。
背景にあるのは、単なる物価高だけではありません。過去20〜30年で社会保険料率は右肩上がりに上昇しており、額面給与が増えても手取りが伸び悩む、いわゆる「五公五民」とも揶揄される状況が続いています。
かつての「日本型雇用」では、年齢とともに給与が上がり、退職金と年金で老後をカバーできるのが一般的でした。しかし現代の40~50代は、親の介護と子供の教育費が重なる「ダブルケア」に加え、物価高と負担増という三重苦にさらされています。「普通」を維持するためのハードルが、個人の努力では越えられないほどに高くなっている。それが、今の日本の姿なのかもしれません。